2014 Fiscal Year Annual Research Report
心的距離による利用可能知識の接近可能性変化とその調整変数に関する実験研究
Project/Area Number |
24530792
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
藤島 喜嗣 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (80349125)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 解釈レベル / 心的距離 / 接近可能性 / 利用可能性 / 自己知識 / プロトタイプ / イグザンプラ / ステレオタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、当初計画に基づき、研究7を実施、さらに前年度知見を深めるため研究8を実施した。これまでの研究知見の蓄積から「内集団表象の有無もしくは同一視の程度を利用した研究」を見直し、実施しないこととした。また、日本国内の学会3大会に参加し、平成25年度実施の3研究(研究4, 5, 6)を発表した。以下、研究7, 8を説明する。 研究7は、時間的距離の異なる将来予測作業によって特性概念、行動概念の選択的活性化が生じるかどうかを検討した。女子大学生64名に対し個別実験を行った。最初に、語彙判断課題を用い、特性語、行動語への反応時間を測定した。この際、自己関連語もしくは中性語をプライミングした。次に、資格取得準備の計画立案を行う場面想定を求めた。資格取得が1ヶ月後もしくは3年以内に求められると教示することで時間的距離の操作を行った。その後、あらためて語彙判断課題を実施し、特性語、行動語への反応時間を測定した。その結果、行動語においては遠方条件よりも近接条件の方で反応時間が速くなり、行動概念の選択的活性化の傍証を得た。特性語においては、肯定語では時間的距離の効果が認められないが、否定語では遠方条件よりも近接条件では反応時間が早くなった。この結果は仮説と正反対の結果であった。なお、自己プライミングの影響は認められなかった。 研究8は、平成25年度に実施した研究4を深めたものである。解釈レベルの相違によってステレオタイプ集団の典型例および具体例への接近可能性が異なるかを検討した。研究4では人種ステレオタイプを用いたが、研究8ではジェンダーステレオタイプを用いた。この変更に伴い、従属測定を単一カテゴリIATから従来の対立カテゴリをもちいたIATに変更した。女性参加者8名が参加したがデータが不足しているため、分析に至らなかった。平成27年度にデータを追加し一定の知見を得る予定である。
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