2013 Fiscal Year Research-status Report
ステレオタイプ抑制による逆説的効果を低減するための代替思考に関する研究
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24530794
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岡 隆 日本大学, 文理学部, 教授 (80203959)
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Keywords | ステレオタイプ / 偏見 / 抑制 / 逆説的効果 / サブタイプ / 認知的複雑性 |
Research Abstract |
本計画初年度に実施した2つの実験のうち,1つの実験を研究論文にまとめて,「ジェンダーステレオタイプ抑制におけるサブタイプ活性化の役割」(日本大学心理学研究)として公刊した.もう1つの実験については,「認知的複雑性とステレオタイプ抑制による逆説的効果との関係」(日本心理学会第77回大会),「認知的複雑性と集団のサブタイプとの関係」(日本社会心理学会第54回大会),"The relationship between cognitive complexitity and paradoxical effects in stereotype suppression"(The 15th Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychology)として,学会で報告した. 今年度は,さらに,後者の実験結果が限定的にしか支持されなかったの受けて,追加の実験を実施した.認知的複雑性が低い人では,ステレオタイプ抑制による逆説的効果が生起しやすいが,それが高い人では,逆説的効果が生起しにくいという明確な結果が得られ,現在,投稿論文にまとめている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画初年度に実施する予定であった,3つの実験のうち,初年度中には1つの実験しか予定していなかったが,2つの実験を実施し,2つの実験とも仮説を支持する結果であったが,それが限定的であるにとどまっていた.今年度は,そのうち1つの実験について,追実験を行い,確実な結果をえた.現在,もう1つの実験の追実験を計画しており,この実験と,最初に予定していた3つ目の実験を,本計画最終年度に実施する目途が立っているので,上記の区分とした.
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Strategy for Future Research Activity |
第1に,上記の最初の実験の方法を改良して,ステレオタイプ抑制の逆説的効果に果たすサブタイプの確立度の役割を明確にする実験を実施する. 第2に,最初に予定していた,集団間関係を変数に組み込んだ実験を実施する. なお,これらと平行して,初年度と二年目のふつの実験で確実な証拠を得た,認知的複雑性と逆説的効果との関係についての論文を投稿する.
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Research Products
(8 results)