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2012 Fiscal Year Research-status Report

仕事の誇りは安全行動を促進するか

Research Project

Project/Area Number 24530796
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

芳賀 繁  立教大学, 現代心理学部, 教授 (10281544)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小口 孝司  立教大学, 現代心理学部, 教授 (70221851)
山浦 一保  立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80405141)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords文献調査 / Web調査 / 聴き取り調査 / 国際研究者交流
Research Abstract

職業的自尊心(仕事の誇り)がどのようにして業務推進意欲および安全行動に結びついているかを計画的行動の理論に基づいてモデル化し,それを製造業の現場で働く従業員を対象に実施した質問紙調査で検証し,モデルを修正した。さらに,職業的自尊心を形成する要因として企業イメージを仮定したが,質問紙調査では明確な結果が得られなかった。その後の文献調査によって,職業的自尊心には職場が公正であるという信念が重要であることが示唆されたため,様々な業種の勤労者を対象にしたWeb調査を行った。社員群と契約社員・パート等群、事務・営業職群と現場業務群で比較したところ、すべての群で組織的公正から職業的自尊心と組織コミットメントへの比較的大きな影響がみられた。また、職業的自尊心が技量工夫意欲を増加させ、工程厳守意欲を低下させるのに対して、組織コミットメントは両方の意欲を高めることが確認された。ただし、群によりパス係数の値に差がみられた。また,国内外の研究者との交流を行い,個人・組織のレジリエンスと職業的自尊心および安全行動との関連を検討した。(芳賀)
職業的自尊心について、関連する諸概念について考察した。特に、職務満足感、上司の支援行動、サイコロジカルエンパワーメントについてである。(小口)
本年度は、文献レビューと伝統工芸職人への聴き取り調査を試みた。文献レビューについては、安全行動に関する研究および、仕事の誇りに関する概念と関連する研究知見の整理を現在も継続して行っている。その中では、仕事への誇りが、職種アイデンティティを強化し、職種内/職種外協力を促す効果があること、健康的な職場環境であるための重要な要因であること等が示唆されている。聴き取り調査からは、仕事のミスによって職人としての誇りを自覚し直し、ミスの再発に留意する循環が示唆された。(山浦)

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交付申請書には本研究の目的として「本研究は職業的自尊心(仕事の誇り)がどのようにして業務推進意欲や安全行動に結びつくのか,計画的行動 の理論に基づいてモデル化し,検証する。さらに,職業的自尊心の形成にかかわる諸因子,とりわけ企業/社員 イメージについて調査を行うとともに,職業的自尊心とチーム効力感,レジリエンス,組織市民行動等との関係 を分析する。 これらの研究を通して,産業・組織心理学に新たな知見をもたらすだけでなく,企業の安全対策にこれまで欠 けていた観点からの施策を提言する」と記載した。
初年度である平成24年度には,職業的自尊心が業務推進意欲および安全行動にどのような形で結びついているかをモデル化し,それを検証することができた。職業的自尊心の形成にかかわっていると思われた企業イメージについては明確なデータは得られなかった。そこで,職場の公正が職業的自尊心に強い影響を及ぼしているのではと考え,予備的Web調査と行った。職業的自尊心とチーム効力感,レジリエンス,組織市民行動等との関係については文献調査,ヒアリング調査を行って検討を開始した。

Strategy for Future Research Activity

職場の公正と職業的自尊心および安全行動について製造業の従業員を対象とした質問紙調査を行う。個人・組織のレジリエンスと職業的自尊心および安全行動の関係についての検討を深度化する。組織的公正-職業的自尊心-安全行動意思モデルの検証のために,工場・作業現場と管理部門において,質問紙調査を行う予定である。(芳賀)
さらに,職業的自尊心と企業理念との関わりについてWeb調査,企業インタビューなどから明らかにする。(小口)
また,仕事への誇り(部下側の要因)と上司のリーダーシップ行動(上司側の要因)、信頼関係(関係性の要因)が,個人の安全行動の促進,および組織の安全風土の醸成に及ぼす影響についても定性的・定量的な分析を行う。(山浦)

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品費(消耗品),旅費(東京での研究打ち合わせ,海外出張等),謝金等(リサーチアシスタント,学生アルバイト),その他(Web調査委託費など)に支出する予定である。

  • Research Products

    (10 results)

All 2013 2012

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 部下に対する上司のポジティブ・フィードバックが機能しないとき2013

    • Author(s)
      山浦一保・堀下智子・金山正樹
    • Journal Title

      心理学研究

      Volume: 83 Pages: 517-525

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ヒューマンエラーは裁けるか:「裁く文化」は安全文化を阻害する2012

    • Author(s)
      芳賀繁
    • Journal Title

      日本臨床麻酔学会誌

      Volume: 32 Pages: 954-960

  • [Journal Article] レジリエンス・エンジニアリング: インシデントの再発予防から先取り型安全マネジメントへ2012

    • Author(s)
      芳賀繁
    • Journal Title

      医療の質・安全学会誌

      Volume: 7 Pages: 207-211

  • [Journal Article] レジリエンス・エンジニアリングからの医療の質・安全性向上への貢献:南デンマーク地区医療品質センターの取り組みを中心に2012

    • Author(s)
      芳賀繁
    • Journal Title

      医療の質・安全学会誌

      Volume: 7 Pages: 239-245

  • [Presentation] 良好な職業イメージは職業的自尊心を高めるか2012

    • Author(s)
      大谷華・芳賀繁
    • Organizer
      日本心理学会第76回大会
    • Place of Presentation
      神奈川県川崎市(専修大学)
    • Year and Date
      20120911-20120913
  • [Presentation] 安全行動における職業的自尊心の役割(2):計画的行動理論を用いた職業的自尊心-安全行動意思モデル2012

    • Author(s)
      大谷華・芳賀繁
    • Organizer
      産業・組織心理学会第28回大会
    • Place of Presentation
      埼玉県越谷市(文教大学)
    • Year and Date
      20120901-20120902
  • [Presentation] 上司の支援行動が従業員満足度に及ぼす影響2012

    • Author(s)
      廣川佳子・小口孝司
    • Organizer
      産業・組織心理学会第28回大会
    • Place of Presentation
      埼玉県越谷市(文教大学)
    • Year and Date
      20120901-20120902
  • [Presentation] サイコロジカルエンパワーメントと職務満足感との関係について2012

    • Author(s)
      飯田光亮・小口孝司
    • Organizer
      産業・組織心理学会第28回大会
    • Place of Presentation
      埼玉県越谷市(文教大学)
    • Year and Date
      20120901-20120902
  • [Presentation] The error prevention effects and mechanisms of pointing2012

    • Author(s)
      Masuda, T., Shigemori, M., Sato, A., Naito, G., Chiba, G., & Haga, S.
    • Organizer
      4th International Conference on Applied Human Factors and Ergonomics
    • Place of Presentation
      San Francisco, USA
    • Year and Date
      20120721-20120725
  • [Book] 事故がなくならない理由(わけ):安全対策の落とし穴2012

    • Author(s)
      芳賀繁
    • Total Pages
      218
    • Publisher
      PHP研究所

URL: 

Published: 2014-07-24  

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