2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530810
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 伸子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40293188)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知発達 / 概念発達 / 素朴生物学 / 心身相互性理解 / 老化概念 / 心身の理解 |
Research Abstract |
研究1:一般的に老年期に衰退するといわれる心身の諸機能について、児童(小3から小6)や大学生が機能低下を認識しているかどうかを検討することが目的であった。総計172名を対象に質問紙調査を実施した。心身の諸機能12項目について、若年成人期と比較して、高齢期になるとどうなるかを7段階で評定させた。使用した項目は、外観(皺・毛髪)・身体内部構造(心臓・骨)・運動能力(腕力・走行速度)・身体機能(病気耐性・聴力)・認知機能(過去事象記憶・計算スピード)・性格(開放性・外向性)であった。分析の結果、どの年齢群の対象者も外向性以外の項目については、老年期には機能低下がみられると考えていることが示された。小3から小5の子どもと大学生は、外向性については老年期にも変化がないと考える傾向のあったのに対し、小6の子どもは老年期には向上すると考える傾向のあることが示された。 研究2:老年期における諸特性の機能低下の抑止要因として、大学生がどのような事柄を想定するかを検討することが目的であった。32名を対象に質問紙調査を実施した。研究1で使用した12項目に5項目を足した17項目について、それを抑止する方法として考えられることを自由に記述してもらった。対象者の記述を分析したところ、身体的側面の機能低下に対しては食生活、運動、規則正しい生活などの身体的要因が、認知機能や性格などの心理的側面の機能低下に対しては認知的活動や対人交流などの心理・社会的要因が抑止効果をもつとされることが多かった。しかしながら、毛髪変化に対してはストレスをためないこと、過去事象想起や計算スピード、外向性の機能低下に対しては定期的な運動が抑止効果を持つとする者が少なくなかった。つまり心理・社会的要因が身体的側面の機能低下に、身体的要因が心理的側面の機能低下に、それぞれ影響を与えうるとの認識を持つ場合が少なくないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究実施計画書に調査計画を記載したが、次年度の計画も一部とりこんだ調査を実施できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の調査を踏まえ、当初の予定通りの研究を実施する。具体的には、老化における心身の相互性理解について、大人と同様の理解はいつごろから可能になるのかを明らかにする。心身の相互性理解が明確になり始めるとされる児童期中期以降の子どもを対象として、調査を実施する。さらに、心身の相互性理解におよぼす文化的背景の影響を検討するために、日中の大学生を対象とした比較文化研究も実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な用途としては、物品としてデータ分析用のノートパソコンの購入、データ分析要員に対する謝金、成果発表のための国際学会出席のための旅費が予定される。
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Research Products
(4 results)