2015 Fiscal Year Research-status Report
現代青年の友人関係における心理的脆弱性と社会適応の関連に関する研究
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24530811
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岡田 努 金沢大学, 人間科学系, 教授 (10233339)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ふれ合い恐怖 / 現代青年 / 対人恐怖的心性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ふれ合い恐怖的心性に関する尺度の整備を目的として2014年度までに続けてきた大学生のデータに加え,2015年度は高校生のデータを収集した。 回答者 日本国内に在住する高校生206名 実施尺度 場面不安尺度再構成版,ふれ合い恐怖尺度,対人関係尺度(対人恐怖的心性を測るもの),友人関係において傷つけ合うことを避ける尺度および軽躁的関係下位尺度などである。 調査方法 インターネット調査業者に依頼しモニター登録している高校生に調査を実施した。 本データに基づいて現在大学生データとの比較検討のための分析を実施中である。すなわち,大学生においては,場面不安尺度とふれ合い恐怖的心性各下位尺度の関連から,先行研究と同様,対人退却下位尺度の有効性が示される一方,関係調整不全下位尺度の有効性については,十分な検証がなされなかった。今回高校生の調査結果と比較することによって,こうした対人恐怖,ふれ合い恐怖に関わる様相について,発達的な変化があるかどうかを知ることが可能となる。これらの結果について本年度の学会発表を予定している。 また,本研究の中心となる年代である「青年期」の発達区分を見直す流れが国際的に広まりだしている。自己の安定性がどのような発達的経緯をとって変容するかは,青年の適応と深く関わる問題であることから,この点について昨年度までに大学生に対するデータを収集した結果を日本心理学会第79回大会において研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学生データに加え,今回高校生のデータを採取することができたため,当初の計画通り,発達的変容も含めた分析が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
大学生と高校生それぞれのふれ合い恐怖的心性の構造の検討と,両者を統合した上での発達的変容について分析をすすめる。 2016年度は本研究課題最終年度であるため,これらのデータを統合した形で結果の整理を進めたい。
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Research Products
(1 results)