2013 Fiscal Year Research-status Report
健常高齢者の連合記憶の成績向上を促す諸要因の分析と介入的支援の効果の検討
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24530812
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松川 順子 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20124787)
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Keywords | 健常高齢者 / 記憶 / 方略利用 |
Research Abstract |
25年度には,24年度末に実施した符号化方略を呈示した場合の利用と効果を検討する実験について,女性を研究協力者として方略の効果を検討するための追加実験を行った。本研究では、24年度中に、実験の実施場所や季節の状況が特殊であるために実験協力者が男性に偏ることがわかったため、25年度は,研究場所や時期を工夫し女性の研究協力者を得て実験を実施したものである。同時に、高齢者の持つ記憶への信念や自己効力感など、また生活全般への意欲やウェルビーイング感情,身体的健康などを引き続き質問紙法により調査した。 これまでに実施した実験のうち、再認成績については結果の概要を日本心理学会、日本発達心理学会で発表した。また、研究会を開催して生涯発達研究についての情報交換を行った。 データが複雑になったため、これまで再生成績や学習時間、質問紙それぞれの結果は個別にまとめる作業を行っているものの、指標間の関係などの分析には至っていない。また質問紙調査の結果分析についても同様である。さらにはこれまでの実験結果から、当初の方略支援の正の効果とは異なる負の効果の可能性が見出されている。これらを慎重に検討し、26年度の研究につなげる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度に明らかになった実験環境に伴う問題点について、25年度は解決のために手探りの状態が続いた。結果的に、実験については研究場所・時期・研究協力者(男性,女性)などを再検討し不足していた女性研究協力者を得て研究の継続が可能になった。 素データは整理に相当の時間を要し、十分なデータ整理を進めることができなかった。またデータ整理を通して、実験的な方略支援の負の効果という、当初の研究目的や計画からはかけ離れた現象も結果として生じている可能性が出てきた。そのため、データの扱いについて慎重に検討する必要があった。それら諸事情のため、全体的な研究成果の見通しと次の課題への移行が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は25年度までに不十分だったデータ分析を精力的に行う。 またこれまでのデータ整理を通して、新たに見出された実験的な方略支援の負の効果の可能性について詳細に検討し、データ分析からその可能性を探るとともに、新しく実験計画を立て、できれば検証実験への展望を見出すこととする。 また、26年度はこれまでの実験で扱えなかった積み残し課題を整理し、できれば追加実験を行う。24年度に明らかになった実験環境に伴う問題点について、25年度は解決のための方策を取ることができたことより、追加実験等を実施する場合には円滑に進めることができると予想される。 質問紙調査結果についても分析を進める。 26年度は、以上の研究結果を概括し、成果として論文にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は,24年度に生じた実験の実施に伴う困難な状況を解決する工夫に時間を取られ、データ処理や成果発表が充分にできなかった。また、当初の仮説とは異なる結果が生じた可能性があり、慎重な検討が必要になった。それらの事情により、その後の研究推進に遅れが生じた。 26年度中に、データ分析を精力的に進める、結果をまとめる、追加実験を行うなどの計画をしている。次年度使用額は26年度の経費とあわせ、それらの研究推進のために使用する。
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