2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
溝上 慎一 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (00283656)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 青年期 / 自己形成 / 自己発達 |
Research Abstract |
本研究は、「自己形成(self formation)」を青年期以降に特徴的な、自己を主体的・個性的に形作る行為と定義し、ひとの誕生以来の「自己発達(self development)」の一部ではあっても、異なる機能を持つものであることを実証的に検証しようとしたものである。これまでの研究成果を受けて、自己形成には3 つの機能(「時間的展望活動」「将来基礎活動」「非時間的展望活動」)のあることがわかっており、H24年度ではライフタスクの測定技法を用いて、この機能を追検証することを計画していた。そのうえでH25年度には自己形成尺度を作成することと計画していた。しかしながら、研究を始めて、H25年度の計画とH24年度の計画を入れ替えた方が良いと判断し、H24年度は自己形成尺度の開発から始めることとした。研究は予備調査(大学生31名:男性16名、女性15名、平均年齢19.9歳)、本調査(大学生515名:男性281名、女性234名、平均年齢19.72歳)と予定通り進められ、それをまとめて学会誌へと投稿した。しかしながら、不採択で戻ってきて、そのコメントを読む限り、予備調査での自己形成に関する項目収集のしかた、本調査における自己形成尺度の開発手続に方法論的な問題があることに気づいた。すぐに、その問題点を修正したうえでの予備調査、本調査を再度おこない(これらはH25.1月に実施済み)、現在データ入力中、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画を若干入れ替えながらも、予定通り研究を推進させたが、成果をまとめた投稿論文から審査者に方法的な問題点を指摘された。もっともな問題であり、その後問題点を修正した上で、再度調査をやり直し、現在データ入力・解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
・H24年度計画予定の自己形成尺度の開発を終わらせること。この研究は成果が遅れているので(その理由は上で詳述)、まずはこの研究を急いで仕上げることに注力したい。 ・H25年度は、自己形成尺度の開発を受けて、自己形成の3つの機能(「時間的展望活動」「将来基礎活動」「非時間的展望活動」)をライフタスク課題を用いて追検証していく作業をおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・自己形成尺度のデータ入力、H25年度計画のライフタスク課題を用いた自己形成の3つの機能の検証を丁寧におこなう。研究補助の謝金や雑費等(その他)での使用がまず必要となる。 ・H25年度はH24年度の成果を国際発表する予定であったが、上述の通り、それができない状況となったので、今年は国際学会では資料収集を中心におこない、結果を出して論文投稿をしっかり進める。H26年度では国際学会で成果発表ができるように研究を推進させたい。
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