2012 Fiscal Year Research-status Report
乳児の非言語情報に対する成人の生理的・心理的反応解明への多角的アプローチ
Project/Area Number |
24530831
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
庭野 賀津子 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (30458202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪川 宏 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (30227467)
田邊 素子 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (30513618)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 乳児 / 非言語情報 / 脳活動 / NIRS / 育児教育 / 心拍 / 生理的反応 / 青年期 |
Research Abstract |
初年度である平成24年度は、初めにパイロットスタディを実施して実際に被験者の協力を得ながらNIRS及び心電計等による生理学的測定及び心理検査を用いた心理的測定を用いた実験のデザインの内容や手順の確認をした。ある程度の実験手法が確立できたため、その後は被験者をリクルートし、乳児の啼泣時及び非啼泣時における脳血流反応と心拍反応及心理的反応の変化を測定し、分析を行った。さらに、被験者による乳児への発話を記録し、音響分析と発話分析によって分析を行った。そして対乳児発話の特徴を見出すことができた。今年度は25名分のデータを収集することができた。 今年度の被験者は、育児経験のない大学生とし、乳児の啼泣時と非啼泣時に見られる生理的及び心理的反応を測定した。その結果、啼泣時と非啼泣時において、脳血流反応や心拍反応、心理的反応のすべてにおいて有意な差が見られ、育児経験のない青年期にある大学生は乳児の啼泣に対して大きく反応するという結果が得られた。本研究の結果は育児経験のない青年期の高校生や大学生に対する育児教育、あるいは育児中の親のストレス予測の基礎資料となると考えられる。さらに、保育者、保護者支援にも貢献できるものとして、研究結果の考察を進めている。 今年度得られた研究成果については年度内から発表を開始しており、順次、学術雑誌での論文発表及び学会発表をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NIRSは予定通りに使用したがそれ以外の生理的指標としての計測について、効果的な機種の選定や解析方法の検討をするため、パイロットスタディに時間を十分に取ったため、若干当初の予定よりは遅れているが、おおむね順調な進展をしているといえる。研究成果の発表も論文、学会発表ともに行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に確立した実験デザインを用い、被験者群を拡大してリクルートをして、実験を実施する。そして得られたデータの解析を行う。平成24年度は育児経験のない大学生が対象であったが、次年度は育児経験のある成人を被験者とするため、育児経験の有無による違いを見出すことができると予測される。また、今年度に収集した発話の音響分析及び発話分析のローデータを整理し、研究成果をまとめる。これらの平成24年度のデータ及び次年度収集するデータを統合して、論文発表及び学会発表をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請時の計画通り、被験者謝金、実験用消耗品、データ分析補助アルバイト代、成果発表旅費に使用する。
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Research Products
(9 results)