2012 Fiscal Year Research-status Report
「離れる-近づく」の視点からみた親子関係の発達に関する研究
Project/Area Number |
24530839
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 准教授 (40322169)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 「離れる-近づく」 / 親子 / インタビュー / 日誌 / 縦断研究 / 社会化 |
Research Abstract |
本研究のねらいは、親子が物理的に離れたり近づいたりする局面に着目し、その様態の発達的変化を明らかにすることであった。そのため、平成24年度にはまず、就学前から小学校高学年に至るまでさまざまな年齢層の子どもを持つ母親26名に対し個別にインタビューを行い、その子どもたち46名との「離れる-近づく」の実態を基礎的な資料としてあつめた。具体的には、1)子どもを家に残して母親が外出する、2)一緒に外出し、特定の場所に子どもを置いて母親が一定時間離れる、3)母親は家におり、子どもが外出する、の3点について、インタビュー時点から遡ること1週間のあいだに該当するケースがあったか、あった場合、具体的にどのようなものかを尋ねた。同時に、1)~3)の初発時期についても調査した。 分析の結果、年齢が低いほど、母親と子が離れている時間も離れる距離も短く、子どものそばには他者(おもに大人)がいるケースが多く、加齢にともなって、子どもを一人残して母親が離れたり、子どもが単独で外出したりするケースが増えることが分かった。また、上記1)~3)でいうと、1)の初発時期が最も早く、2)、3)の初発時期はやや遅れることがわかった。さらに、出生順位による比較では、第一子に比べ第二子以降のほうが、1)~3)の初発時期が早いことも示された。 上記のインタビューデータのほか、地域育児支援サークルの協力を得て、参加者20名余りに対して日誌記録調査も行った。17ヵ月齢~46ヵ月齢までの子どもの母親22名に日誌を渡し、連続5日間にわたって、上記1)~3)に該当する事例を逐一記録してもらった。これについては、現在分析を進めている最中である。 以上、二つのデータ収集を通して、子どもの自立や社会化、現代の子育て事情の基本的実態が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記した通り、30名近くの母親に対してインタビューを行い、具体的な事例や基礎的な資料をあつめることができた。また、交付申請書には記していなかったが、これを補足するような形で、日誌データを追加的に収集することもでき、2年目以降の調査の実施に向けて有意義な資料を準備できた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、初年度後半に収集した日誌データの整理・分析を進め、国内学会での発表をめざす。また、初年度のインタビューで得られた具体的な事例を参考にして質問紙を作成し、1、2歳児~5、6歳児までの子どもがいる家庭1,000組程度を対象に、質問紙調査を実施、大量データの分析から全体的な傾向をつかむ。さらに、その質問紙調査の協力者に、以後の縦断研究への協力依頼を行い、以下の研究①と研究②への参加を呼び掛ける。 すなわち、研究①は、質問紙を半年ごとに郵送し、回答を依頼するというもの、研究②は、3ヵ月ごとに日誌を郵送し、連続1週間、親子の「離れる-近づく」について記録を依頼するというものである。②の日誌は、その都度、返送してもらい、補足的に電話でのインタビューも行う。研究①、②の協力者は、それぞれ400名、30名程度を見込んでいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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