2013 Fiscal Year Research-status Report
「離れる-近づく」の視点からみた親子関係の発達に関する研究
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24530839
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
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Keywords | 離れる / 近づく / 幼児 / 児童 / 母親 / 発達 / モノ / 他者 |
Research Abstract |
本年(2013年)度は、初年(2012年)度に実施した予備的なインタビューの結果を踏まえ日誌形式の質問紙を完成させた。また、2013年10月からは、この質問紙をもちいた縦断調査を本格的に始動した。名古屋市内にある私立幼稚園11園において、園児の保護者1,500名余に対し質問紙を配布し、自宅で記入したもらった後、筆者あてに返信してもらった。第1回調査では、420名(約30%)から回答が得られた。さらに、第2回調査(2013年1~2月)では、以後の縦断調査にも協力の意思が確認された約360名に対し、第1回と同様の質問紙を郵送で配布し、回収を済ませた。目下のところ、2014年9月の日本心理学会での発表をめざして、第1回調査の分析を進めているところである。結果はおおむね以下の通りである。すなわち、母親が子どもを家に置いて出かけることは、3歳前後の子どものいる家庭でも6~7割程度でおこなわれており、一人っ子よりもきょうだいのいる家庭、長子よりも第二子、第三子に対してのほうが、そのような場面が多いことが確認された。また、母親が子どもと離れている時間も、子どもが3、4歳よりも5、6歳である場合のほうが明らかに長時間化し、第二子、第三以降では、子どもときょうだいを置いて出かけるケースがたいへん多いことがわかった。今後、子どもと共に外出し、一定時間、母親が子どもから離れる場面(お稽古ごとなど)、(母親は家にいる状況で)子どもが自らどこかへ出かける場面(おつかいなど)の分析も進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに質問紙を完成させ、調査を進めることができている。 第1回調査での回答者をベースに考えると、人数がやや減り気味ではあるものの、現在、配布途中の第3回調査でも300名を超える協力者が残っており、2014年度もこのまま進めることができそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、2014年度も3ヵ月ごとに質問紙調査を継続して行く予定である。年度後半の日本発達心理学会では、第1回調査の残りのデータを発表したいと考えている。また、これらのデータをもとに論文が1本、ないし2本執筆できればとも考えている。 調査内容については、協力者の人数を絞り、さらに詳しい電話インタビュー等による個別性、具体性の高いデータを収集することもめざしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年(2013)度後半、第3回目の質問紙調査が年度をまたがってしまったため、一部が未使用のままで繰り越されてしまった。 未使用分は、調査協力者への謝礼としてQUOカードを購入するのに使用する予定である。
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