2015 Fiscal Year Research-status Report
「離れる-近づく」の視点からみた親子関係の発達に関する研究
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24530839
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幼児 / 小学生 / 母子 / 離れる / 近づく / 外出 / 発達 / 自立 |
Outline of Annual Research Achievements |
前々年度(2013年度)から研究に協力してもらっている 幼児期ないし児童期の子どもを持つ母親に対し,所定の日誌への記録を依頼した。具体的には,(1)子どもを自宅に置いて外出した,(2)母子で外出し,子どもと一時的に離れた,(3)母親と離れて子どもが外出した,の3つについて,連続5日間にわたり,全ての事例を記録してもらった。2015年度も,この調査を3~4ヵ月に1回実施した。協力者はおよそ260名であった。 研究成果については,最初の調査から1年後までの変化を日本心理学会で報告した。現在,それらの成果の論文化をめざして準備中である。 調査開始から2年半が経過し,就学前から小学校入学後にかけての母子の「離れる-近づく」の様相がかなり明確になってきた。上記(1),(2),(3)のいずれに関しても,小学校入学後は,該当する事例の数自体が増加するのはもちろんのこと,とりわけ(3)の子ども外出行動の増加が顕著であることが明らかになった。また,外出後は友達との共行動がたいへん多いこと,外出している時間も長くなること,近隣の遊び場や習い事・各種教室等へ行くのに大人の同行を伴わないことが一般的になってくること,などがわかってきた。いっぽうで,小学校入学後も,大人(父親や祖父母など)が同行することが多い場所もあり,出かける場所や状況に応じて,一緒に出かける相手や時間が異なることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初420名であった協力者は,現在約260名にまで減っているが,この種の縦断研究で,これだけ協力者が残っているのは稀有なことである。この人数を3年近くにわたってフォローできているので,調査は順調と考える。 データがかなり膨大であるため,入力や分析の作業が十分に追いついておらず,その点を改善したい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,9回目の調査を実施中で,それを終えると,あと1回,10~12月にかけて10回目の調査を実施予定である。今年度は,学会発表に加えて,これまでのデータの解析や論文執筆作業にも尽力したい。
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Causes of Carryover |
協力者が若干減ったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
日誌調査の協力者への謝礼として使用する予定である。
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[Book] 心理学概論2016
Author(s)
向井希宏・水野邦夫(編) 小島康生(分担執筆)
Total Pages
321(95-107)
Publisher
ナカニシヤ出版
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