2014 Fiscal Year Research-status Report
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24530844
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
小椋 たみ子 帝塚山大学, 現代生活学部, 教授 (60031720)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 養育者の働きかけ / 言語発達予測 / 言語模倣 / 応答性 / 絵本場面 / 情報提供 / 指さし / 気質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.言語、身振りの発達予測:9か月26名、12か月22名、18か月19名について観察時点と24か月時点でJCDIsを実施した結果、9か月児の身振り、言語は24か月時点の言語発達を予測しなかった。12か月児は身振り得点が24か月の語彙、文法発達を予測した。18か月児は表出語数、理解語数とも24か月の語彙数、文法発達を予測した。 2.語彙、文法発達を予測する母親の言語模倣:18か月14名、21か月19名、24か月14名のままごと遊び場面での母親の言語模倣と33か月追跡時点の子の言語との関係を明らかにした。24か月児母親の感嘆詞の繰り返し模倣が追跡33か月時点の子の表出語数を予測した。母親の応答性,共感性が子の語彙発達には重要である。また,助詞・助動詞の文法発達にも21か月の文法出現期で母親が助詞・助動詞を拡充して子の発話を模倣することが33か月時点の文法発達を促進していた。母親の子の発話の模倣は子の年齢によりその効果は異なっていた。 3.絵本場面の分析:12か月13名、18か月17名の絵本場面での母親のことば、身振りを分析した。1)母親は「ことばだけ」で、次いで「ことばに身振りを伴わせて」働きかけ、18か月では「ことばだけ」での働きかけが多くなった。2) 絵本に関連した発話は18か月で増加し、より絵本に注目できるようになった。3)母親の発話機能は「情報提供」が多く、下位分類では「命名」「オノマトペ」が多く、ラベリングを中心に働きかけていた。4) 母親の身振りは「指さし」が多く、それに加え、例示の身振りで象徴遊びをして、相互作用を発展させていた。 4.気質の一貫性と性差:9か月(42名), 12か月(36名), 18か月(65名)の観察時点と24か月(107名), 33か月(83名)の追跡調査時点の気質(接近、周期の規則性、持続性/自己制御、敏感性)の安定性と性差を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
養育者の働きかけ行動と言語発達の関係については分析が進み,結果をまとめることができた。子どもの気質と養育者の働きかけの関係の分析はまだであるが、気質データの分析は行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.子どもの無意味語をモデルとした母親の音声模倣と子の言語発達との関係を9か月、12か月もいれて分析を行う。 2.21か月、24か月の絵本場面の母親の働きかけ行動の分析を進める。 3.5歳時点の追跡質問紙調査を行う。 4.養育者の働きかけ行動に影響を及ぼすと予想される子どもの気質と母親の信念についての分析をすすめる。
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Causes of Carryover |
研究成果報告のために予定していた米国での国際学会出張を入院のためにキャンセルしたことによる旅費の未使用と大学での5歳児追跡観察が困難であったので、郵送調査に変更したので研究協力者への謝金が不要となり未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
養育者の働きかけ行動と子どもの気質の関係、養育者の働きかけ行動と養育者のことばかけや遊び、絵本、メディアの意義についての信念との関係のデータ分析、5歳児追跡調査の平成27年度該当児への郵送費とデータ入力のための作業謝金として使用する。
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