2014 Fiscal Year Annual Research Report
生理・行動指標によるパーソナリティの実験心理学的研究
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24530846
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Research Institution | Tohoku Bunkyo Junior College |
Principal Investigator |
松田 浩平 東北文教大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30199799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恵美 東京富士大学, 経営学部, 准教授 (20569975)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パーソナリティー / 生理指標 / 近接赤外線 / 前頭脳血流 / 個人間差 / 個人内差 / Hemoencephalography / nIR-HEG |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験では、パーソナリティ評定時の身体的変化とパーソナリティ特性を客観的変数で把握するために反応時間と、脳波・心拍数・近接赤外線センサによる前頭脳血流などの生理指標を加えて検討した。さらに実験ストレスの影響を把握するために一連の実験開始前と開始後に唾液アミラーゼの測定も行った。またHEGは脳血流の絶対値を反映するものではなく、あくまでも個人内変動なので、個人内差に注目した。主な生理指標は、性格評定時の前頭葉の血流量の増減(HEG)、脳波(EEG)、心拍数(HR)を計測した。心理指標として複数の質問紙を(BAS、Lie Scale、主要5因子性格検査)を用いた。 被験者への課題は、性格評定語が聴覚刺激で提示されたあと、次に提示される視覚刺激について、できるだけ早く正誤反応を求めた。更に、自分の性格との一致を求める特性語評定試行と文章評定試行の3つのセッションを実施した。 その結果、HEGは、安静閉眼3分(HEG-CL)、主要5因子性格評定中(HEG-BF)、単純反応試行実施中(HEG-S1)、特性語評定試行実施中(HEG-S2)、文書評定実施中(HEG-S3)および、セッション終了後の質問紙への回答中(HEG-QA)の6状況で被験者によって異なる変動を示すことが明らかとなった。また、刺激語への反応時間は被験者によって一定の傾向があることが反応時間より示されていた。従って、セッション内での刺激語への被験者毎の平均反応時間と前頭脳血流の個人内変動は、個人内で刺激語毎に一定の中心的傾向を有していた。このことから、性格特性語に対する反応時間とセッション毎の前頭脳血流の変動は、被験者の個人特性を反映していると考えた。 なお、平成26年度の成果は、The14th European Congress of Psychology in Milanにて発表する(採択済み)。
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