2013 Fiscal Year Research-status Report
日本人学校への教育相談支援体制の構築:新たな支援資源としての大学の役割
Project/Area Number |
24530849
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
平野 直己 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80281864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 紀久代 お茶の水女子大学, その他部局等, 准教授 (10254129)
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Keywords | 日本人学校 / メンタルヘルス支援 / 教育相談 / 臨床心理学的地域援助 |
Research Abstract |
①クアラルンプール日本人学校での実践調査(10月30日~11月1日):通算5回目の訪問。保護者対象の講演会、保護者・児童生徒への教育相談、教師とのコンサルテーション、子ども理解のためのケースカンファレンス(幼稚部・小学校部)などを通して、学校関係者からの聴取と関与観察を行なった。 ②ニューヨーク日本人学校での実践調査(9月2~5日):通算2回目の訪問。教師対象の研修会、保護者対象の講演会、保護者への教育相談などを通して、学校関係者からの聴取と関与観察を行なった。 ③香港日本人学校(9月24~26日):初訪問。授業観察、クラス担任へのコンサルテーション、保護者対象の講演会、保護者への教育相談などを通して、学校関係者からの聴取と関与観察を行なった。 ④平成26年度実施予定の調査項目の策定:上記①~③で得られたデータを参考にして、日本人学校の構造的特徴と学校関係者のメンタルヘルスの関連を明らかにするための量的調査に向けた項目の設定を行なった。 ⑤学会発表と論文発表:8月に横浜で開催された日本心理臨床学会において、「日本人学校へのメンタルヘルス支援の可能性の検討: 複数の調査校からみえてきたメンタルヘルス上の課題の構造」というタイトルでポスター発表を行なった。また、これまでの成果を紀要論文「日本人学校での日常的なメ ンタルヘルス支援における一考察:南米の一都市にある日本人 学校での実践調査活動から」、「日本人学校へのメンタルヘ ルス支援の可能性の検討( II):第2回実践調査からみえてきた保護者の期待と支援の方法」として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載した通り、研究目的に従いながら研究を進めてきているが、実践を通しての研究であるという研究遂行上の特性から、当初の実施計画を修正しつつ研究を進めている。昨年度、修正した研究の実施計画に沿って概ね順調に進展していると考えられる。 具体的には、現場の教師、保護者、児童生徒への直接の質問紙調査が日本人学校側の判断により困難であることが明らかになったこと、日本人学校のある地域の特性がメンタルヘルスに大きく影響する可能性が示唆されたことから、①これまで訪問先での実践調査の他に、それ以外の地域の日本人学校への訪問の実施、②質問紙調査の対象を日本人学校を経験した教諭(帰国後の教諭)に変更することした。 以上の諸点を鑑みて、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
①日本人学校での勤務経験をもつ教師への質問紙の実施。 ②これまでの日本人学校での教育相談実践事例のまとめ。 ③学会発表と論文発表:日本心理臨床学会での発表と紀要論文の発表を継続するとともに、同学会で自主シンポジウムを開催する(既に受理され開催予定)。
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