2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530850
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
織田 信男 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (80250645)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | スーパーヴィジョン / 電子メール / スカイプ |
Research Abstract |
平成24年度は2つの研究を行った。まず,既存のWebカウンセリングを行っている団体や個人をGoogleで検索し,情報のデータベースを構築した。その後,実際の運営の課題に関して団体や個人に直接インタビュー調査を行い,遠隔臨床心理支援をする際の課題を明確にした。 つぎに,被災地等で活躍している臨床心理士資格取得準備中の3名を対象にスーパーヴィジョン(以下,SVと略す)を行った。SVは対面,Eメール,スカイプの3方式を採用し,3つのコミュニケーションメディア(以下,CMと略す)の心理的効果を比較検討した。質問項目は,SV事前評価尺度として,事例困難度(10件法),感情気分評定20(福島・高橋・松本・上田・中村,2005)を使用した。SV事後評価尺度として,事例困難度(10件法),感情気分評定20(6件法),SVの効果の指標として,SVの時期の適切度(5件法)など10項目を設定。地理的負担度,経済的負担度,心理的負担度は10件法で,良くなかった点,良かった点および改善点は自由記述形式で設定した。 結果に関しては,SV前後評定項目として感情気分評定20から肯定的感情と否定的感情に該当する10項目の各平均と困難度を用いて,3(対面・電子メール・スカイプ)×2(事前・事後)の分散分析を行った。その結果,測定時点の主効果が3つの従属変数すべてにおいて認められた。つまり,SVによる感情と認知への肯定的効果が認められた。しかし,CMの主効果や交互作用は認められなかった。負担度に関しては,対面方式は電子メールやスカイプに比べて地理的・経済的負担が大きかったが,心理的負担では有意な差が認められなかった。今後は,データを増やすことにより,SVにおけるCMの相違をより明確にしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1研究では,既存のWebカウンセリングを行っている団体や個人をGoogleで検索し,情報のデータベースを構築したが量的には十分であったとは言えない。また,Webカウンセリングの実際の運営課題に関して明確になった点はあるが十分とは言えないので,今後も継続して情報を収集する必要がある。 第2研究では,3つのコミュニケーションメディアによるスーパーヴィジョンの心理的効果の比較研究は,参加者の確保や手続きが比較的順調に進み,結果も仮説を支持するものが一部示唆されてきた。したがって,研究の目的の達成度は完全ではないがおおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,第2研究である3つのコミュニケーションメディアによるスーパーヴィジョンの心理的効果の比較研究を継続実施する予定である。くわえて,研究知見の一般化を図る目的で,スーパーヴィジョン研究の参加者にスーパーヴァイザーを1名追加し,研究を実施する。また,研究がおおむね順調に進んでいるので,平成26年度実施予定のブログ研究の準備を1年前倒しで行う予定である。具体的には,平成26年度購入予定のブログとPCを1年早く購入することにより,事前に研究の準備を行うため。また,SPSSの更新期限が25年6月に切れるので,1年早く更新する必要がある。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|