2013 Fiscal Year Research-status Report
メンタルヘルス受療行動の最適化を実現する心理教育プログラムの開発
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24530866
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 啓 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招聘教員 (70294014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷向 仁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60432481)
佐々木 淳 大阪大学, その他の研究科, 准教授 (00506305)
中村 菜々子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80350437)
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Keywords | メンタルヘルス / 行動学 / ストレス / 受療行動 / 精神科 / カウンセリング |
Research Abstract |
メンタルヘルスに関する専門的支援のあり方をあきらかにするために、メンタルヘルス受療行動の構成要素抽出と概念化をインターネット調査により明らかにした。全体対象者3232751名の中から、20歳以上で大学生ではなく、ストレスや精神・心理的不調をはじめて経験し、医療機関やカウンセリングをはじめて利用した819名が調査の対象であった。「診療やカウンセリングを受ける前と比較してストレスや精神・心理的不調がよくなった」と回答したのは602名(73.5%)であった。今年度は、1)専門機関の受診動機(受診理由)、2)受診による心の問題の原因認識(帰属)の変化、3)専門機関のイメージ、4)受診による専門機関のイメージの変化、5)受療を促進するのに有効と考えられるメッセージの5つの自由回答についてすべて内容分析を行った。その結果、それぞれ42・36・58・35・35個のカテゴリーが作成され、カテゴリーごとの発言人数が算出された。ストレスや精神・心理的不調が良くなったことによって2群、改善群と未改善群にわけて、自由回答のカテゴリーの出現を比較した結果、出現頻度の異なるカテゴリーがあることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、昨年度行った調査により800人を超える対象者から回答を得ることができ、その調査の中の5つの自由回答項目について、全て内容分析を行った。内容分析は、3名の研究者がすべての回答内容についてそれぞれ検討しながら進めたため、膨大な作業を行なう事となったが、分析の結果、本研究の目的である教育プログラムのコンテンツ開発のためのさまざまな角度からの情報得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の4つのテーマについて、内容分析の結果について得られたカテゴリーとメンタルヘルスサービスの利用による改善群と未改善群の違い、対象者の属性の違いについて検討する。テーマ1:受療に至る意思決定過程;テーマ2:専門機関のイメージの変化;テーマ3:受療の原因帰属の変化;テーマ4:専門機関の受診に効果的なメッセージとその配布方法についてである。またこれらの検討の結果を元に、メンタルヘルスサービスの受療の促進と阻害要因除去、メンタルヘルスサービスのイメージの適正化に有効なメッセージを開発し、そのメッセージの配布方法についても検討する。それらを元に、メンタルヘルスサービスの受療行動を適正化するための情報を掲載したWebサイトのコンテンツを構築し、実際にサイトを立ち上げる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は、本年度にコンテンツ開発を予定していたが、自由回答の内容分析の精密性を上げることを優先したため、その費用について執行することができなかった。 次年度において、Web サイトの構築などの教育プログラム開発、ならびに研究成果の学会発表を積極的に行い、必要な経費を執行する予定である。
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