2014 Fiscal Year Research-status Report
ライフレビューはどのようなプロセスで展開するのか―高齢者に対する面接事例から―
| Project/Area Number |
24530877
|
|---|
| Research Institution | Oita University |
|---|
Principal Investigator |
林 智一 大分大学, 医学部, 准教授 (70274743)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | 高齢者 / ライフレビュー / プロセス / 心理療法 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者とのライフレビュー面接における「プロセス」を明らかにしようとするものである。ライフレビューが何を契機にして、どのように展開していくのかというプロセスと主要テーマ、ライフレビューが多様な効果をもたらすメカニズム、および健常群と認知症群のライフレビューの特徴について分析することを目的としている。
平成26年度は、平成25年度に引き続き某介護老人保健施設の協力を得て、デイケア利用者の中から研究目的に合致する高齢者のかたがたを推薦してもらい、実際にライフレビュー面接を行った。なお、対象者の基準は、ある程度の言語化能力と疎通性を有するかた、というものであった。
その結果、本年度は5名の高齢者がリストアップされた。そのうち、健常群2名と認知症群1名に各10回のライフレビュー面接を行った。その他2名のかたは、面接経過の途中で面接を拒否されて、10回に達しなかった。この、途中にドロップアウトされたかたは、2名とも認知症群であった。
ライフレビュー面接10回法ではドロップアウトされるかたが無視できない数にのぼるため、平成27年度には、ドロップアウトされた事例に関する学会発表を行う予定にしている。
研究成果の発表に関しては、平成26年度、事例研究として学会発表3件（日本心理臨床学会、日本健康心理学会、九州心理学会）を行った。また、論文として「日本の高齢者のライフレビューに見られた自我の統合性に関する研究―「こころの生涯学習」のゴールとして―」（大分大学高等教育開発センター紀要第6号, 2014年3月）と「高齢者に対するライフレビュー面接10回法の臨床的検討―「こころの生涯学習」の支援に向けて―」（大分大学高等教育開発センター紀要第7号, 2015年3月）の2本を発表した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドロップアウトが多いため、認知症群の研究協力者が現在のところは少ないが、平成27年度も事例の集積を行う予定である。しかし、全体の事例数としては、おおむね計画通りに研究が進行している。
平成26年度には、事例研究として学会発表を3件行い、論文を2編執筆している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
平成27年度も引き続きライフレビュー面接の事例の集積を行う。また、事例をもとにした中間報告としての学会発表（日本心理臨床学会など）を2，3件程度、予定している。また、典型例と思われる事例をまとめ、事例研究論文として大学内の紀要などへの投稿を行う予定である。
さらに、最終年度であるため、これまで集積した事例から総合考察を行い、研究成果報告書を作成して関係研究機関に配布する予定にしている。
|
| Causes of Carryover |
前年度、予定していた物品の購入を取りやめたために、残額が大きかったため。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は最終年度であるため、学会発表の旅費、報告書の印刷費などで残額を使用する予定である。
|
Research Products
(5 results)
