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2012 Fiscal Year Research-status Report

緩和ケアにおける遺族ケアプログラムの開発とその有効性の検証

Research Project

Project/Area Number 24530899
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKobe Shoin Women's University

Principal Investigator

大和田 攝子  神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 准教授 (10340936)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords遺族ケア / サポートグループ / 緩和ケア / 死別 / 悲嘆
Research Abstract

本研究は、緩和ケア病棟で家族を看取った遺族を対象とした遺族ケアプログラムの開発とその効果の検証を目的とする。研究代表者はこれまで研究協力者である医療機関(緩和ケア科)スタッフの協力を得て、遺族に対して死別直後から切れ目なくケアを提供できるようなプログラムを開発し、実践を行ってきた。本研究ではプログラムの一環として遺族サポートグループを実施し、その有効性と役割、および限界についてさまざまな側面から総合的に検討する。
初年度は遺族サポートグループの有効性を確認するため質問紙調査を実施した。対象は平成22年10月から平成23年9月までの1年間に緩和ケア病棟(在宅緩和ケアを受けた者も含む)で家族を看取り、死別後6ヶ月以上経過した遺族540名(270家族)である。調査に使用した尺度は、複雑性悲嘆をICG、気分・不安障害をK6、人間的成長を成長感尺度により測定した。研究代表者が運営している遺族サポートグループは、年度ごとに参加者を募り、当該年度の4月から翌年3月までの1年間、月1回(全12回)定期的に開催している。グループ参加者には、グループ開始前(初回調査)とグループ終了時(追跡調査)に調査用紙を配布した。また、サポートグループに参加していない遺族(対照群)にも同様の調査を実施した。その結果、初回調査、追跡調査ともに回答の得られた69名(参加群6名、対照群63名)を分析の対象とし、現在、集計段階に入っている。
また本年度の研究計画として、遺族サポートグループの各セッションにおける参加者の発言内容をICレコーダーを用いて録音し、逐語記録としてデータ化することを挙げていたが、これらの作業もほぼ予定通り進めることができた。次年度はこれらの逐語記録を質的研究法により分析するほか、インタビュー調査も実施する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

遺族サポートグループの有効性を検討するための質問紙調査を実施できたこと、また遺族サポートグループの各セッションにおける参加者の発言内容を録音し、逐語記録としてデータ化できたことは、初年度の成果だと考える。ただ、遺族サポートグループへの参加者数が予想していた人数よりも少なかったことが問題点として挙げられる。研究計画に記したグループ参加者数の目標は30名であり、初年度に実施した遺族サポートグループの参加者は目標を大きく下回っている。したがって、次年度も引き続き質問紙調査を行うとともに、次年度のグループ参加者も分析の対象とする予定である。
このようにグループ参加者数の問題はあるものの、初年度の目的は概ね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、データ化された逐語記録を修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づき分析する。遺族サポートグループに参加することで何がどのように変化するのか、またグループは参加者にとってどのような役割を果たしているのかについて明らかにする。また、遺族サポートグループの参加者(中断した者も含む)にインタビュー調査を実施する。グループ参加者にはグループの役割と問題点について、途中で参加を中断した者についてはその理由などを聴取する。最終的には、これらの研究成果を学会等で発表する予定である。
なお、先述したように、初年度におけるグループ参加者数が予想よりも少なかったため、次年度も引き続き質問紙調査を行うとともに、次年度のグループ参加者も分析の対象とする予定である。その場合、当初予定していた2年後調査は実施せず、初回調査と追跡調査(1年後調査)のみを行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

守秘性の高いデータを取り扱うため、インターネットに接続しない専用のノートパソコンを購入する。また、独立したパソコンであるため、必要なソフトウェアをインストールする必要があり、統計ソフト(SPSS)の購入を予定している。
あとは、遺族サポートグループ運営のための謝金、逐語記録のデータ化に伴う報酬、インタビュー協力者への謝金および交通費、質問紙送付のための通信費(切手代等)、研究発表のための旅費などに充てる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 緩和ケア病棟における遺族ケアプログラムの実践2012

    • Author(s)
      大和田攝子・加山寿也・城下安代・大和田康二
    • Journal Title

      心的トラウマ研究

      Volume: Vol.8 Pages: 57-64

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 遺族ケア利用率の実態と遺族の援助要請を抑制する要因2012

    • Author(s)
      大和田攝子・加山寿也・城下安代・大和田康二・上山桂・宮井宏之・内海千種・加藤寛
    • Organizer
      第17回日本緩和医療学会学術大会
    • Place of Presentation
      神戸国際展示場
    • Year and Date
      20120622-20120623
  • [Presentation] 遺族サポートグループ実施の試みとその役割に関する研究(3)―遺族の発言内容の質的分析から見えるもの―2012

    • Author(s)
      大和田康二・大和田攝子・加山寿也・城下安代・上山桂・宮井宏之・内海千種・加藤寛
    • Organizer
      第17回日本緩和医療学会学術大会
    • Place of Presentation
      神戸国際展示場
    • Year and Date
      20120622-20120623

URL: 

Published: 2014-07-24  

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