2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530900
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
奇 恵英 福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (40412689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 博之 福岡女学院大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (00037037)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 震災支援 / 主動型リラクセイション療法 / 生活不活発病 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間継続してSART(Self-Active Relaxation Therapy;主動型リラクセイション療法)による震災支援を行いながら、「生活不活発病尺度」と「GHQ-12(The General Health Questionnaire-12)」を用いてデータを収集した。2014年度には従来の質問紙に「VOL(Valuation Of Life)尺度」を加えてデータ収集を行った。 震災支援は臨床心理学実践における地域支援の一つであり、その究極的な目標は当事者たちのエンパワーメントである。よって、阻害されたメンタルヘルスに焦点を当てる一方で、被災者の本来の生きる力、健康さに注目し、それらを引き出していくような援助の視点も重視される必要がある。 2回に渡って本研究のSARTによる震災支援に訪れた新規参加者120名、リピーター71名を対象にデータを収集し、比較検討を行った。生活不活発病においては、新規参加者の平均年齢が67歳、リピーターの平均年齢が69歳であったが、有意差がないことから、より高齢のリピーターの生活機能が良好に保たれていることが示された。GHQ-12においては、2回目の結果比較において新規参加者がリピーターより良好であり、年齢の影響が考えられる一方、リピーターの場合、仮設住宅に残され、将来の生活計画が立たない高齢者が多いことが影響したと思われる。 VOL(Valuation Of Life)尺度は、人生に対する態度、見方を問うもので、2回目の調査においてリピーターが新規参加者より高い得点を示した。すなわち、現実的な苦境のストレスはあるものの、人生に対する肯定的姿勢と自己信頼感においてリピーターの意識の高さが示された。
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Research Products
(4 results)