2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
菊池 安希子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所司法精神医学研究部, 室長 (60392445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 幸之 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所司法精神医学研究部, 部長 (40282769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 統合失調症 / 幻聴 |
Research Abstract |
本研究は、精神病の認知行動療法(CBT for Psychosis:CBTp)を本邦の精神科臨床現場に普及するための支援として、患者と参照しながら取り組むことのできるCBTpワークブックを開発し、その効果検討を行うことを目的としている。 初年度の平成24年度は、上記目的の準備として、統合失調症の幻聴を認知行動療法で扱ったワークブックについてのレビューを行い、ワークブックの作成を開始した。 レビューの結果、既にCBTpのセルフヘルプブックは複数出版されているものの(Coleman&Smith,1997; Morrison et al.,2008; Turkington et al.,2009; Hayward et al.,2012)系統的な効果検討を行ったものは極めて乏しいことが明らかになった。Casstevensら(2006)らは、Coleman&Smith(1997)を用いた介入を行い、介入群では一般治療群に比べ、治療後の不安とうつの合併した症侯(anxious depression)が改善することを示しているが、この研究で用いたワークブックは、必ずしも内容が認知行動療法とは限らなかった。 既存のCBTpセルフヘルプ本及び、CBTpの先行研究から、ワークブックには「幻聴についての情報提供(ノーマライジング、苦痛な声の影響についての心理教育)」「幻聴の認知行動モデル」「幻聴への対処方略増強」「幻聴の意味についての認知再構成」「リカバリー志向」が共通要素として挙がったため、この要素を含めたワークブックの作成を開始した。 ワークブック作成と平行して、CBTpの効果検討を行うのに有用な評価尺度である精神症状評価尺度日本語版(PSYRATS-J)の評価者トレーニング用DVDを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の初年度には、PSYRATSという尺度の信頼性妥当性の検討を終了している予定であったが、データ収集を担う予定であった研究協力者2人がほぼ同時に産休に入ったため、計画の変更を迫られることとなった。 そこで、2年目に開発を予定していたワークブックの作成に着手するとともに、評価者間信頼性の検討、及び、将来的な尺度使用トレーニング時に有用であると考えられるトレーニング用DVDを作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、昨年実施するはずだったPSYRATS尺度の信頼性妥当性の検討を実施すると共に、年度前半には幻聴ワークブックの開発を行い、患者数人にパイロット的に使用する予定である(4月~8月 PSYRATSの信頼性妥当性の検討のためのデータ収集および幻聴サークブックの試用版の完成、8月~年度末 PSYRATSPSYRATSの信頼性妥当性の検討のためのデータ解析および幻聴ワークブックの試行) PSYRATSの信頼性妥当性の検討に際しては、PSYRATS合計点の検査者間信頼係数を級内相関係数を用いて検討する。クロンバックα係数を算出して、信頼性を検討する。また、PSYRATSとPANSS関連下位項目、BCIS,DICLの相関係数を算出し、併存的妥当性を検討する。解析は、SPSS for Windows ver.19 を用いて実施する。解析は研究協力者と研究代表者が実施する。 幻聴ワークブックの開発については、既存のCBTpセルフヘルプ本及び、CBTpの先行研究から、ワークブックには「幻聴についての情報提供(ノーマライジング、苦痛な声の影響についての心理教育)」「幻聴の認知行動モデル」「幻聴への対処方略増強」「幻聴の意味についての認知再構成」「リカバリー志向」が共通要素として挙がったため、この要素を含めたワークブックを完成させ、試行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度からの繰り越し246,938円については、平成24年度の内に、以下の情報収集のための旅費の支払いに充てることを計画したが、実施が平成25年5月であったために、平成24年度内の予算の執行と成らなかった。 米国で開催されたBeck Institute Workshop "CBT for schizophrenia"(フィラデルフィア)及び、"Beckfest"(ボストン)への渡航費: 旅費合計 215,540円
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] CBT for psychosis in Japan2012
Author(s)
Kikuchi A, Matsumoto K, Yamazaki S
Organizer
13th Annual Beck Cognitive Behavioral Therapy for Psychosis Conference
Place of Presentation
リバプール大学、英国
Year and Date
20120420-20120420