2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530908
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩崎 祥一 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90117656)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 干渉 / ストループ効果 / 抑制 / 注意の瞬き / 注意の容量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験では、最初のターゲットは、マスク刺激を伴った仮名文字の読み取りで、実験参加者は、これを読み取り、後で口頭で報告した。第二課題は、色を表す漢字1文字の色を口頭で答えるStroop反応である。条件としては、一致、不一致、それに記号文字を提示した中立条件の3条件。仮名ターゲットとStroop刺激の時間間隔(SOA)は、100ms, 200ms, 300ms, 500ms, 800msの5通りからランダムに選ばれた。実験参加者は、2つの課題をいずれも口頭で答え、その音声はICレコーダーによりステレオチャンネルの一方のチャンネルに録音された。他方のチャンネルには、Stroop反応の反応時間を測定するために、Stroop刺激提示と同時に音声パルスを録音しておいた。反応時間は、実験終了後に、各試行ごとにWAVファイルをプログラムで解析して求め、エラー試行を除いた上で条件ごとにまとめて平均反応時間を計算した。最初のターゲット(仮名)は、Stroop反応後に口頭で答えて貰い、その録音から正しく読み取っていたかどうかをチェックし、正しく答えた試行のStroop反応時間のみを有効なデータとして分析した。 その結果、1)音声反応時間から、不一致条件は他の条件に比べ、反応時間が大きく遅延しており、Stroop効果が認められたこと、2)中立条件の反応時間を、注意の容量の指標と見なすと、この反応時間はSOAの関数として単調に減少していたこと、3)干渉量(これは不一致条件の反応時間から一致条件のそれを引いた差分)は、単調な変化ではなく、300msで干渉量がいったん増加した後で、低下し、800msで再び増加した。以上の結果から、反応時間と干渉量は最初の仮名文字からのSOAにより変化の様子が異なっていた。ただし、SOAの関数としての反応時間の変化は統計的にも有意であったが、干渉量のSOAによる変化は、統計的には有意とはならなかった。
|
Research Products
(6 results)