2012 Fiscal Year Research-status Report
音声による感情表現が動機づけに与える影響:脳マルチモーダル測定による検討
Project/Area Number |
24530912
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大上 淑美 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (30456264)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 泰則 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (40240759)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 実験心理 |
Research Abstract |
実験刺激と実験課題の作成 脳波とfMRIを用いた生理指標測定のための課題プログラムをE-Prime(心理実験用刺激呈示ソフト)を用いて作成する。課題は、時間評価課題(あらかじめ指定した数秒程度の時間を頭の中で数えてもらい、その指定された時間が経過したと思ったらボタン押しを行い、数秒後に時間評価が合っていたか間違っていたかのフィードバック情報の提示)を用いる。この課題では、フィードバック情報の操作(どような刺激を呈示するか)により、異なる実験条件を作り出すことが可能である。 条件を作り出すフィードバック情報(刺激)のうち、情動を喚起するような抑揚をつけた音声刺激の作成は、既存のソフトウェアの利用では作成出来ないことが判明した。そのため、声優の方に協力してもらい、感情を込めた音声刺激の作成を行った。 また、比較のための通常の平板な発音、加えてコントロール(フィードバック情報を呈示しない)を加えた複数の条件の設定を行った。その後、予備実験として、実験課題プログラムに間違いやバグか無いか、条件設定に誤りがないかを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存のソフトウェアでは、感情を込めた刺激の作成ができないことが判明し、声優を探し録音するなど、想定外の時間を要し、実験課題の作成に遅れが出た。また、実際の実験の実施のため、倫理申請も審理が頻繁に行われないこともあり、申請書の作成から審査という一連の手続きの完了に時間を要し、生理/行動指標を測定する予備実験までは進めることができなかった。 しかし、実験(生理/行動指標測定)遂行ための準備の80%が完了している。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験課題作成と倫理審査も完了したため、今年度は速やかに実験実施(測定)に取りかかる予定である。まずは、本実験に進む前に予備実験として、実験課題の信頼性を確認するために数名分の実験(測定)を行い、データを分析し、時間評価課題のボタン押し運動中に運動準備電位が測定されているかを確認後、本実験を開始する。データ測定は脳波測定とfMRIを用いた計測を別々の日程で行う。精密なデータを記録するため、トレーニングと本実験のふたつで一組の実験として構成する。まず、課題に慣れるためのトレーニングを行い(1時間程度、生理指標測定無し)、別の日に生理指標を測定する本 実験を行う。特に脳波測定は、電極の装着や休憩も含め、5時間程度掛かるので、被験者(10名以上)を募り、謝金を支払うことによって、実験に対する最低限の集中力と動機づけを維持する。 脳波データの分析には、加算平均処理から発生源推定まで専用の脳波解析ソフトを使用する。条件間での差があるかどうかの確認には、繰り返しの分散分析を行い、どの条件において、どの電極位置で振 幅の差があるのかを確認する。(脳波測定によるSPN研究は、先行研究も多く、脳波分析結果が他の生理指標のベースとするため、最初に分析を行う。)fMRIデータ分析にMATLAB上で作動するフリーのソフトウェアのSPMを用いる。膨大な画像データの扱いには大容量のハードディスク容量とメモリが必要になるが、東京工業大学 所有のスーパーコンピューターTSUBAMEを利用することで大幅な時間短縮を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に関わる消耗品(使用料含む)、実験に協力してもらう被験者への謝金、また分析に関わる費用が主な支出なる予定である。分析に必要なPCの購入、学内のスーパーコンピューターの使用料、データ分析を手伝ってもらうリサーチアシスタントの雇用費用も検討している。加えて、情報収集やデータ報告のための国内外への学会参加への費用に使用する。
|