2015 Fiscal Year Annual Research Report
音声による感情表現が動機づけに与える影響:脳マルチモーダル測定による検討
Project/Area Number |
24530912
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大上 淑美 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 助教 (30456264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 泰則 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 助教 (40240759)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 実験心理 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、不足している脳活動データの収集のため、脳波実験とfMRI実験を行った。被験者は大学生と大学院生に協力してもらい、脳波実験は所属機関で行えるため、三十数名分の脳波データ測定を行った。fMRI実験は、東大医科学研究所の施設を借りて実験を行った。 収集した脳波データを分析した結果、設定した聴覚刺激による実験条件間(音声条件、効果音条件、ビープ音条件、コントロール条件)に有意な差があった(具体的には、条件と半球との交互作用のこと)。本研究で指標としている刺激先行陰性電位(SPN)は、右半球優位性という特徴を持ち、動機づけが高まるときには左半球の活動が増加することがわかっている。本脳波実験の結果ではビープ音条件にのみ、有意な右半球優位性が確認され、音声条件と効果音条件では、左半球の活動が高まり、右半球優位性は消失した。行動データとして記録した動機づけの程度には、条件間に有意な違いは見られなかったが、ビープ音条件の動機づけの程度(平均値)は他の2条件よりも低かったことから、動機づけの程度の関与があると考えられる。各条件により電極位置でも有意な差がみられ、どのように頭皮上電位分布が異なっているのかも詳しく検討し、加えて、主成分分析を行い、異なる聴覚刺激間での成分に違いがあるのかも見る予定である。 fMRI実験は、まだデータ分析の途中で、リグレッサーを立てる位置を検討後、SPMでの通常分析を行う。その後、PPI (PsychoPhysiological Interaction)分析も実行し、確認された賦活部位からその賦活部位同士での機能連関を観察し、脳のどこがどのように働いているかを推定していく。
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Research Products
(1 results)