2013 Fiscal Year Research-status Report
思春期喫煙が成熟後の認知機能に及ぼす影響:動物モデルによる検討
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24530914
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 叔子 東京福祉大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80431667)
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Keywords | 思春期 / マウス / ニコチン / 認知機能 / 注意機能 / 衝動性 |
Research Abstract |
雄の C57BL6 系マウスを用いた。同じ母親から生まれたマウスを 2 群(ニコチン前処置群と生食水前処置群)に分け,生後 54-63日目(思春期終了後)の 10 日間にわたって, ニコチン(0.4mg/kg)または生食水を1 日 3 回(10 時,13 時および15 時)投与した。最終投与から 5 週間後に,インテリケージにニコチン前処置群と生食水前処置群の認知機能を測定した。この装置には 4 つの独立した学習コーナーがあり,各コーナーには左右にそれぞれ視覚刺激用の 3 種類の LED(赤,黄, 青)とノーズポーク用穴(シャッターと検出センサー付),またシャッターの奥には,給水ボトル (報酬用)が装着されている。マウスはインテリケージの中で集団飼育され,課題の遂行はマウスの活動期に当る夜間に行わせた。マウスは背中に埋め込まれた認識チップによって検知され,それぞれのマウスの遂行成績は全自動で測定された。各マウスに対して,プログラムにより,(1)空間学習とその逆転学習課題,(2)単純反応時間課題および(3)衝動性選択課題のいずれかを行わせた。その結果,ニコチン前処置群マウスは,生食水前処置群マウスと同様に,空間学習とその逆転学習課題を速やかに習得した。また,単純反応課題と衝動性選択課題における遂行成績についてもニコチン前処置群と生食水前処置群の間に有意差は見られなかった。以上の結果から,思春期終了後のニコチン反復投与はマウスの認知機能に影響を及ぼさないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,思春期終了後におけるニコチンの反復投与がマウスの認知機能にいかなる影響を及ぼすかについて検索した。3種類の行動課題について予定通りに実施することができた。その結果,学習機能,自己統制機能および注意機能についての成体期ニコチン投与効果を詳細に分析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,行動課題として行った空間学習課題,逆転学習課題,単純反応時間課題などに主要な役割を担う内側前頭前野と海馬の神経網が,思春期あるいは思春期終了後のニコチン反復投与により,いかなる影響を受けるかについて検索する。雄の C57BL6 系マウスを用いる。平成24年度および平成25年度と同じ手続きにより,思春期と思春期終了後のニコチン前処置群と生食水前処置群各12匹を用意する。最終投与から5週間後に,深麻酔下において潅流固定後,前頭前野と海馬を切り出し潅流固定に使用した固定液を用いて5℃で再固定する。再固定後,樹状突起に対するゴルジ染色を施す。顕微鏡下で前頭前野と海馬の形態学的変化について,前頭前野の下位領野(帯状回,縁前皮質,下辺縁皮質)と海馬の下位領野(CA1,CA3,歯状回)に分けて観察する。得られたデータについてSholl解析による定量評価を行う。以上の結果について,思春期ニコチン前処置群と思春期終了後ニコチン前処置群で比較する。
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Research Products
(1 results)