2014 Fiscal Year Research-status Report
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24530928
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
藤田 知加子 南山大学, 人文学部, 准教授 (70300184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小河 妙子 東海学院大学, 人間関係学部, 准教授 (30434517)
吉橋 由香 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (30436977) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 単語認知 / 同音異義語 / 漢字二字熟語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本語の視覚的単語の特色に着目して,標準的な単語認知課題を用いて行動指標(反応時間・誤反応率)を測定する実験を複合的に実施するとともに,そのような行動指標に現れる前の処理過程についても検討するために,眼球運動の軌跡を測定する実験を行うことを計画している。また,これらの実験に必要な刺激材料の整備のために,実験対象となる大学生,小学生,日本語学習者に対し,単語を示すアイコンに関する調査を実施することを予定している。 本年度は,昨年度収集した行動指標(反応時間・誤反応率)に関する実験データと,語彙判断課題と音読課題を用いた課題間比較の結果に関する報告を,国際学会(9th International Conference on the Mental Lexicon)で行った。これらの実験の結果,漢字二字熟語であっても,英語をはじめとするアルファベット系言語を材料とした場合と同様に,単語の音韻情報がLexiconの活性化に影響を及ぼすことが,課題に関わらず認められることが明らかとなっている。 また,昨年度準備中と報告した視線追跡装置を用いた実験のプログラムを完成させ,大学生を対象に眼球運動の軌跡を測定する実験を行った。しかしながら一部プログラムに不具合があったため,その修正とデータの再収集を行い,現在分析を継続中である。加えて,本年度実施予定であった,留学生を対象とした視線追跡装置を用いた実験に関しても,眼鏡やコンタクトレンズ装着者での視線追随が正確に記録しづらいという装置の特性から参加者を限定したため,予定通り参加者数を満たすことができず,追加のデータ収集の為に来年度の期間延長を申請することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述の通り,装置,プログラムの不具合,参加者確保の困難さなど複数の要因から,視線追跡装置を用いた実験の実施がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
視線追跡装置を用いた追加実験と分析を順次行う予定である。具体的には追加のデータ収集を10月までに実施する。同時に,大学生を対象とした同様の実験の分析を早々に行う予定である。したがって,研究計画は申請時の内容より変更することなく推進する。
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Causes of Carryover |
視線追跡装置を用いた実験の実施が計画よりも遅れたため,それらに必要と考えられた謝礼および人件費分の研究費を次年度に繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
視線追跡装置を用いた実験の準備に補助者の協力が相当時間必要であること,実験装置の充実のために消耗品購入が必要であることから,次年度以降に請求する研究費は,おもにそれらに使用する計画である。
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