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2013 Fiscal Year Research-status Report

水泳によって生じる味覚嫌悪学習の普遍性・頑健性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24530931
Research InstitutionKwansei Gakuin University

Principal Investigator

中島 定彦  関西学院大学, 文学部, 教授 (40299045)

Keywords味覚嫌悪学習 / 条件づけ / 運動 / 水泳 / 走行 / 系統差 / マウス / ラット
Research Abstract

平成25年度の論文発表は以下の2件である。(a1)ラットの走行性味覚嫌悪学習について系統差を検討した過去の実験(補足実験を平成24年度に実施)を論文化して学術誌に投稿、数度の修正を経て10月に採択(同月にオンライン掲載)、冊子体としては翌年(平成26年)1月号に掲載された。(a2)ラットの走行性味覚嫌悪学習の文脈制御に関する実験論文(平成24年10月に学術誌に掲載内定していたもの)が平成25年10月に学術誌に掲載された。
平成25年度の学会発表は3件でその内訳は以下の通り。 (b1)ラットの走行性味覚嫌悪学習の獲得と消去過程を明瞭に示す技法の開発、(b2)慢性砂糖溶液呈示の剥奪を無条件刺激に用いたラットの味覚嫌悪学習(砂糖剥奪性味覚嫌悪学習)を実証した実験(運動性味覚嫌悪学習のメカニズムとして考えられるエネルギー消費との関連で実施)、(b3)ラットの走行性味覚嫌悪学習に及ぼす直前走行の阻害効果のメカニズムを調べた実験。なお、このうち(b3)を除くすべては平成24年度までに実施済みの実験に基づくが、平成25年度に理論的考察を加えてまとめる作業を行った。
平成25年度に実施した実験は6件であり、その内訳は以下の通り。(c1)マウスの水泳性味覚嫌悪学習における系統差(ICRマウスとddYマウス)の比較実験、 (c2)ラットの砂糖剥奪性味覚嫌悪学習における砂糖溶液呈示日数の効果を20日と10日で比較した実験、(c3)同じく10日と5日で比較した実験、(c4)上記(b3)と同じ、(c5)異食行動を指標にラットの内臓不快感が測定可能であるとの大阪大学医学部などからの報告を本研究室でも再現した実験、(c6)味覚嫌悪学習に用いる味覚として炭酸水が使用可能であることを初めて示した実験。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ラットに味覚溶液を摂取させた後、運動処置(回転カゴで走行させるか水槽で泳がせる)を行うと、当該味覚溶液に対する嫌悪学習が生じる。これは運動性味覚嫌悪学習と呼ばれ、走行性味覚嫌悪学習と水泳性味覚嫌悪学習に分類できる。本研究は水泳性味覚嫌悪学習について、(1)ラットだけでなくマウスでもこの現象が確認できるか、(2)ラットやマウスの系統によって差が見られるか、(3)この現象を生じさせる手続きの洗練・簡便化、の3点を目的とするものである。
平成25年度の当初計画では、(1) マウスの水泳性味覚嫌悪学習について、溶液測定方法の再吟味など方法論的な洗練化を行い、平成24年度に確認したICRマウス以外のマウス系統でも水泳性味覚嫌悪学習を検出する方法を探ること、(2) 水泳性味覚嫌悪学習におけるラットの系統差について検討すること、(3) ラットの水泳性味覚嫌悪学習に及ぼす水温の効果について検討すること、(4) 砂糖剥奪性味覚嫌悪学習の追試と、成立条件を探る実験を実施すること、の4点を目標としていた。このうち、(1)は[9.研究実績の概要]の(c1)に記したようにICRマウスとddYマウスの比較実験を実施したものの、いずれの系統でも水泳性味覚嫌悪学習を確認できなかった。(2)と(3)は水槽のある実験室の都合で実施できなかった。(4)については[9.研究実績の概要]の(c2)~(c3)に記したように順調に進み、砂糖溶液呈示日数が5日間でも効果が頑健に見られることを確認した。なお、上述のように(2)と(3)の研究が実施できなかったため、当初計画になかった関連実験[9.研究実績の概要]の(c4)~(c6)を行い、次年度(最終年度である平成26年度)に向けての準備研究として位置づけた。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度に確認したが平成25年度には追試に失敗したマウスの水泳性味覚嫌悪学習について再度実証に挑む。また、平成25年度に実施できなかった水泳性味覚嫌悪学習におけるラットの系統差の比較実験や水温の効果を調べる実験を実施する。
平成24年度に発見し平成25年度に追試に成功した砂糖剥奪性味覚嫌悪学習については成立条件を引き続き検討する。また、平成25年度に本研究室でも確認した異食行動を指標としたラットの内臓不快感測定法を用いて、回転カゴ走行や水槽での水泳が内臓不快感を喚起しているかどうかを調べる実験も実施する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前述のように、平成25年度に実施予定であった実験のうちラットの水泳性味覚嫌悪学習の実験を行うことができなかった。これはラットの水槽のある実験室を共同使用していた他の研究者が自らの装置を放置したまま病気休職したために実験室を半年間使用できなかったことによる。このため、ラットの購入費や実験作業の委託費の一部を使い残すことになった。平成26年3月に当該研究者が退職したので、水槽のある実験室の片づけを5月上旬までに行って、このテーマでの実験を5月12日から再開する予定である。
平成26年度はこれまでと同じく主として以下の費目で研究費を使用する。研究成果発表の費用(学会発表のための旅費や論文の英文校閲料金)、実験研究の被験体(ラットおよびマウス)代金、実験作業を行うアルバイト(作業委託)の人件費。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 2013 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Running-based taste aversion learning in five strains of rats2014

    • Author(s)
      Nakajima, S.
    • Journal Title

      Physiology & Behavior

      Volume: 123 Pages: 200-213

    • DOI

      10.1016/j.physbeh.2013.10.011

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Contextual control of running-based taste aversion learning in rats2013

    • Author(s)
      Hashimoto, A., & Nakajima, S.
    • Journal Title

      Psychological Record

      Volume: 63 Pages: 785-802

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ラットにおける走行性味覚嫌悪の獲得と消去

    • Author(s)
      中島定彦・橋本あや
    • Organizer
      日本心理学会第77回大会
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター
  • [Presentation] ラットの走行性味覚嫌悪学習における近接CS事前呈示効果

    • Author(s)
      中島定彦
    • Organizer
      日本動物心理学会第73回大会
    • Place of Presentation
      筑波大学
  • [Presentation] Flavor avoidance learning in rats based on sugar withdrawal

    • Author(s)
      Nakajima, S.
    • Organizer
      The 121st Annual Convention of the American Psychological Association
    • Place of Presentation
      Honolulu, Hawaii (USA)

URL: 

Published: 2015-05-28  

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