2015 Fiscal Year Annual Research Report
長期的ストレスの指標としての爪試料中ステロイドホルモンの有効性の検討
Project/Area Number |
24530933
|
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
井澤 修平 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, その他部局等, 主任研究員 (00409757)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 慶典 日本大学, 文理学部, 准教授 (80442119)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ストレス / 爪 / コルチゾール / DHEA |
Outline of Annual Research Achievements |
爪試料中のコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)と長期的ストレスとの関連を検討するために、看護実習というストレスフルな状況に注目し、看護実習に参加する学生を対象に実験を行った。看護実習は2014年の9月下旬から2月にかけてあった。爪は根元から先端に伸びるには4~5か月を要すると考えられることから、2014年12月、2015年1月、3月、5月に爪を採取させ、これを郵送で回収した。また、これと同じ手続きを、実習を経験していない学生(統制群)にも実施した。 2015年度は爪の回収が終わった後に、爪試料中のコルチゾール、DHEAの測定を行った。測定の過程において、爪の検体の粉砕の具合によって結果が異なることがわかったため、新たに粉砕機を購入し、測定を進めた。 測定値について統計的な解析を行った結果、爪のコルチゾールについては、看護実習に参加した学生の2014年12月、1月、3月の値が、統制群のそれよりも高いことが示された。DHEAについては、そのような差は認められなかった。このことから、爪のコルチゾールは長期的ストレスの影響を受けて値が高かったことが示唆されたが、当初の仮説とは異なり、その影響は、4~5か月ではなく、2~3か月程度のタイムラグで現れることが示唆された。したがって、爪試料のステロイドホルモンが長期的ストレスの影響を反映しうるかという点については、部分的に支持された結果となった。 爪からの測定に時間を要したこともあり、今後はこれらのデータについて学会発表や論文発表を行っていきたいと考えている。
|