2013 Fiscal Year Research-status Report
他者・社会との関係性を基盤とした高校学習実践の意義:生徒の文章分析を通して
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24530935
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
高橋 亜希子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90431387)
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Keywords | 高校 / 授業 / 授業研究 / 他者 / 社会 / 探究学習 / ナラティブ |
Research Abstract |
平成25年度は、1.授業の分析に関する学会発表、2.高校の授業観察の継続、3.旭川近郊の高校教員との交流、の3点を主に行った。 第1に、「海外の高校における探究学習-スウェーデン・アメリカの高校の例を通して」(日本カリキュラム学会第24回大会)というテーマで7月に「他者・社会との関係性を基盤とした高校実践の検討:英語の授業とシティズンシップ教育」(高橋亜希子・望月一枝)というテーマで10月に日本教育方法学会において口頭発表を行った。内容は、平成24年10月に観察したW高校の英語の朝鮮学校訪問後の授業の分析である。授業の発話、訪問前後の感想の分析を通して、生徒の認識の変化を分析した。訪問は朝鮮学校の生徒も同世代の日本に住む若者であることを知り、日本人とは何かを振り返る機会となっていた。 第2に、昨年度に引き続き、高校訪問と授業の観察を行った。11月15日には、埼玉県T高校でのI教諭の“学びの共同体”形式の高校2年の数学の授業観察、11月18日には、東京都W高校の「農と地域」という総合学習の授業の観察、2月15日には 神奈川県立T高校で現代社会、数学、英語、国語の授業を観察した。各授業観察に関しては記録を作成し、T高校訪問の際は記録と感想を各教諭に送付した。 第3に、旭川市や旭川近郊の高校の教員との交流がある。北海道立富良野高校で実施されている授業について生徒と考えるフォーラムに関する情報収集を行い、2月15日には旭川東高校で高校教員による授業に関する勉強会に参加した。 今まで2年間の高校訪問を通して、ティームティーチング、校内、校外での授業研究会の実施など、高校の授業の形式は明らかに変化しつつあり、また、高校の教員も授業の改善をテーマとすることが増えていると思われた。しかし、大学入学のための成績上昇に依然として軸があり、教員も実践を行う際の手がかりを模索しているようである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていた、授業でのナラティブ分析を通した生徒の変化の分析を今年度は行うことができた。しかし、中央教育審議会の議論などの高校教育をめぐる課題について迫りきれていず、また、授業の観察記録を高校の先生方に送付しても、なかなか文章でコメントを頂くことが難しい側面があり、授業に関する先生方との対話をどのように深めていくかが現在の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
中央教育審議会の議論などの高校教育をめぐる課題を整理すること、特定の教科など分析の焦点を絞り、これまで観察した授業を考察、分析する視点を持つことが平成26年度の前半に必要である。それをもとに後半では研究の総括を行いたい。国際学会での発表(The Pacific Rim Conference)を11月に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2014年3月に海外調査を行う予定であったが、所属校の語学研修に参加することになり、3月の調査が行えなくなったため。 2014年11月に第4回 Pacific Rim Conference 国際学会で発表するため、その旅費、英文校閲費に当てる予定である。
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Research Products
(2 results)