2015 Fiscal Year Annual Research Report
教職大学院と公立小学校の協働による「若年教員」の授業力向上過程に関する実践的研究
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24530946
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
瀬戸 健 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (30510036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松沢 要一 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (10401788)
水落 芳明 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40510053)
早川 裕隆 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (90590365)
久保田 善彦 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (90432103) [Withdrawn]
松井 千鶴子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20401789)
辻野 けんま 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80590364)
堀 健志 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (10361601)
清水 雅之 上越教育大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10547053)
金子 淳嗣 上越教育大学, 学内共同利用施設等, その他 (30609186) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 授業力向上 / リヴォイシング / 教材研究 / 発問 |
Outline of Annual Research Achievements |
T県教育センターが、平成元年度から平成14年度に初任者と指導教員を対象として行った調査、文部科学省が平成22年に初任者を抱えたことのある校長に行った調査(中教審 資質能力向上特別部会第6回資料)から共通に言えることは、初任者が不得意なのは、「教材研究」「学習習慣、生活習慣の形成」「評価の仕方」「学習指導、授業づくり」「児童生徒理解」「学級づくり」など、授業に直接関わる力であるということである。しかし、数年を経過すれば、多くの初任者は授業を支障なくできるようになる。 どのような道筋を通ってこのように成長するのか。本研究では、特に若年教員の授業力向上過程を明らかにすることを目的とした。 本研究推進上の課題は、授業力をどのような指標で測定しようとするかである。従来から、「板書」「発問」「指名」など、観点を参観者に与えて相互評価することが校内研修などで行われてきたが、この方法は、評価の多様性が大きく、意見の一致は困難であった。最後に選んだのがリヴォイシングによる評価である。これは、子どもの発言に対する教師の応答行動の一つであるが、一柳によれば、子どもは教師のリヴォイシスした言葉に着目して記憶することを指摘しており、教師のリヴォイシングの出来によって、学習成果に違いが出ることを意味している。確かに、教師の応答は、その授業のねらい、発言者の性格、学級全体への波及などを瞬時に判断して行うのであるから、これを分析することは授業者の授業力を明らかにすることができると考えた。 その結果、初任者は多くの発言に対して反応しようとし、単純な復唱を繰り返すものが多かったのに対し、教職経験を重ね、教材の理解が深まったりねらいが明確になったりするにつれて、子どもの発言の中から選んでリヴォイシングする、要約する、意味づけや例を求めるなど様々な役割をもつ言葉でリヴォイシングを行うようになることが分かった。
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Research Products
(1 results)