2013 Fiscal Year Research-status Report
学校種や教科間の壁を越える授業研究のための教授学キーワードの再編と開発
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24530958
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
深澤 広明 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70165249)
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Keywords | 教育方法学 / 教授学 / 授業研究 / 学校種 / 小中連携 |
Research Abstract |
研究の2年目は、1年目の授業研究で訪問した学校の校長や教員らのインタビュー調査をふまえて、学校現場で機能している、ないしは今は語られなくなったが今日においても継承の必要のある戦後授業実践史における教授学キーワードについて、そのいくつかを取り上げ、歴史的経緯と今日的意義について検討した。取り上げたキーワードは、発言形式、班、習熟と意欲、ゆさぶり、生活綴方的教育方法、指導的評価活動、等である。 また、授業研究での協議についての学校種の違いをふまえるために、学力向上を志向する小中連携型の授業研究に取り組んでいる広島県内の3地区の小学校及び中学校の教員へのアンケート調査を行い、それぞれが授業で何を大切にしているかの意識に違いのあることを明らかにするとともに、連携のあり方によって地区間に違いのあることも指摘した。 なお、ドイツのレクラム文庫版「理解することを教える:よい授業への提言(Verstehen Lehren:Plaedoyer fuer guten Unterricht)」の著者であるフランクフルト大学のアンドレアス・グルーシュカ(Andreas Gruschka)教授の来日に合わせて、広島県内の中学校の授業を共同で参観するとともに、授業研究のあり方について協議し、日本の授業研究をめぐる諸課題について論議し、PISA後のドイツと同様に、授業における深い理解(deep understanding)に基づく学びの欠如に課題のあることを共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教授学キーワードの再編を考えていく上で、いくつかのキーワードのついて検討することができた。また、インタビュー等で実感していた学校種の授業研究のあり方の違いについて、アンケート調査によって数量的な違いとして把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査のデータ処理を精緻なものにしていくことと、ドイツの教授学者あるいは教員養成に携わる研究者と授業研究の交流を進展させ、教授学キーワードの再編に向けて研究のまとめをすること。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ドイツへの渡航を予定していたが、研究スケジュールの調整段階で、別ルートで教授学関係の研究者が来日することになったため、旅費を次年度に繰り越すことで、日本における国際的な授業研究を共同で企画・開催するための渡航費と招聘費の旅費として使用することにした。また、国内における国際的な授業研究なので、協議会も含めて、その模様をビデオ等で記録するだけでなく、授業記録や協議会の記録を文書化するために謝金を次年度に回すことにした。 研究の最終段階に当たる10月以降に、ドイツより研究者を招聘し、広島県内の小学校及び中学校の授業研究に共同で参加し、教授学キーワードの有効性と再編のあり方について検討する。そのための打ち合わせと資料集のために年度の前半に渡航費を使用する。また後半には招聘のための旅費や記録及び国内の教師との対話のための通訳のための謝金として使用する。
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Research Products
(3 results)