2012 Fiscal Year Research-status Report
労働と家族の問題をリンクさせたアクティブ・ラーニングの授業実践構想と教育方法
Project/Area Number |
24530962
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白石 陽一 熊本大学, 教育学部, 准教授 (60187523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 尚志 武庫川女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40398722)
望月 一枝 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60431615)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 市民 / アクティブ・ラーニング / 若者自立 / 授業カンファレンス |
Research Abstract |
労働と家族の問題をリンクさせたアクティブ・ラーニングの授業実践構想と教育方法の研究を行うために、平成24年度は、その基礎研究を行なった。労働と家族をリンクさせた授業構想、若者自立のための観点、シティズンシップ教育の構想、などについて、研究分担者(大学教員)と研究協力者(高校教員)が共同して、全国の高校教育実践の先進的試みを収集し、分析検討を行った。 主な研究協議としては、平成24年8月10・11・12日、全国高校生活指導研究協議会(東京、東洋大学)、平成24年9月15・16日、高校生活指導研究協議会全国フォーラム(東京都田町イノベーションセンター)、12月15・16日、同全国フォーラム(東京大学)、平成25年2月9・10日、学校の在り方を考える教育の集いin秋田(秋田大学・教育文化学部、研究分担者の望月一枝研究室が主催)である。また、初年度は文献研究、論点整理、先駆的実践記録の収集・分析・評価なども行い、その報告・協議の場として、全国的な研究大会や研究フォーラムの場を活用した。 研究代表者の白石陽一は、労働、進路、職業、総合学習、自治的参加型の学びなど観点を統合した授業実践の試みについて情報収集を行い、教育実践を分析する枠組みの研究として、「教育実践記録の『読み方』」(『熊本大学教育学部紀要、第61号、人文科学』2012年12月)など、2本の研究論文を作成した。望月一枝は、「若者支援とシティズンシップ教育」『ふくしと教育』(日本福祉教育、ボランティア学習学会、14号、2013年、16-19頁、査読有)など3本の研究論文を作成している。大津尚志は、授業実践モデルの提起として、「『模擬投票』をといれた教職課程における日本国憲法授業の試み」(『教育学研究論集』(武庫川女子大学)第8号、2013年3月)を作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
労働と家族のリンク支える観点については、白石は、労働、進路、職業、総合学習、参加型の学びなど観点を統合した授業実践の試みについて情報収集を行った。その成果の一部は、「『弱さ』をとおして『実存的』課題を探る」(『高校生活指導』193号、2012年6月)、および「教育実践記録の『読み方』」(『熊本大学教育学部紀要、人文科学、第61号』2012年12月)に報告した。 望月は、若者支援やシティズンシップ教育ついて、「若者支援とシティズンシップ教育」『ふくしと教育』(日本福祉教育、ボランティア学習学会、14号、2013年3月、査読有)、および「生徒が市民として活動する学校づくり」(『高校生活指導』194号、教育実務センター、2012年8月)を執筆した。 したがって、文献探索、論点整理、情報収集という観点では、研究はほぼ順調に進展しているといえる。 授業実践構想を具体的に提示し、授業のモデルを作成するという点に関しては、大津尚志が、すでに「『模擬投票』をとりいれた教職課程における日本国憲法授業の試み-アクティブ・ラーニングの一環として-」(武庫川女子大学紀要『教育学研究論集』第8号、2013年3月)を報告しており、この方面の研究も徐々に進展しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、フィールドワーク、学校訪問、授業カンファレンス、授業ディスコース分析を企画し、授業実践の記録を収集し、モデル授業の構想とその成果の評価を行なう。 そのために、東京、京都、大阪、名古屋、静岡、秋田、などの地域において、先進的な教育実践・授業実践を参観し、検討会を企画する。そのさい、研究協力者として高校教師との共同協議の機会をもうける。 働く現場・働くルール・働く者の権利を学び合う総合学習・職業教育・進路指導の観点(担当は白石)、シティズンシップ教育、家族の学習、家庭科教育学の観点(担当は望月)、公民科教育、労働の教育、授業モデルの観点(担当は、大津)などから、実践の成果をまとめ、実践のモデルを構想する。 研究成果は、高校生活指導研究協議会の京都大会(8月3・4・5日)、日本教育方法学会・埼玉大会(10月5・6日)高校生活指導研究協議会の全国フォーラム(12月開催予定)などにおいて報告する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フィールドワーク、学校訪問、授業カンファレンス、授業ディスコース分析を企画し、授業実践の記録を収集し、東京、京都、大阪、名古屋、静岡、秋田、などの地域において、先進的な教育実践・授業実践を参観し、検討会を企画する。そのための研究旅費、調査旅費が必要である。 本研究を進めるための基本的な文献購入費、授業実践を記録するための印刷費が必要である。 授業ディスコースの発話起こしのための謝金、各地の学校現場での授業研究を依頼するための謝金が必要である。
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