2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530976
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Research Institution | Soai University |
Principal Investigator |
長谷川 精一 相愛大学, その他部局等, 教授 (40269824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越水 雄二 同志社大学, 社会学部, 准教授 (40293849)
北澤 義之 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (90257767)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 言語教育 / 地域語 / 沖縄 / ブルターニュ / ヨルダン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、以下の点について考察を進めた。沖縄に関しては、「祖国復帰運動」以降に標準語(国語)教育が地域語(沖縄方言)に及ぼした影響についての歴史的経緯をたどり、本土就職のために標準語習得の必要性が説かれた時期の後、地域語の再評価が生じているものの、話者人口は減少し、UNESCOによって危機言語として把握される状態に至っていることを指摘した。ブルターニュに関しては、1977年以来、ディワン会Diwanがブレイス語による学校教育を展開しており、幼稚園に始まり、80年に小学校、88年に中学校、99年に高等学校を開設してきた同会には、2013~14年度に3,732名の児童生徒が学んでいた(学校数は小46、中6、高1)が、三十数年にわたる活動が、地域の公立校と私立カトリック校でもブレイス語学習者が増加する刺激になってきた点、創設時から現在までの教師・卒業生・親たちの発言を検討した結果、この間に言語教育の方針が、公教育によるフランス語の強制に抵抗してブレイス語の存続を図る指導から、国家語と地域語の対立関係を超える二言語併用を目指す指導へ変化してきた点に注目した。ヨルダンに関しては、アラビア語のフスハー(文語)とアーンミーヤ(口語)に関する研究を進めた。ヨルダンにおける文献調査と識者との意見交換さらに国内図書館の文献調査によって、ヨルダンおよびアラブ諸国におけるダイグロシア(二言語併用状況)の実態と言語政策の傾向について、他地域との類似性と相違について重要な知見を得ることができた。公的空間における言語の使い分けがその一つであり、学校(授業)・報道・議会などにおいて、それがみられることや、フスハーの正統性のイスラーム的基盤に関して知ることができた。アラビア語に関する言語政策の多元的認識の重要な示唆を得た。また今後の域内の言語の比較研究における課題をみつけることができた。
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Research Products
(4 results)