2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530977
|
Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
相馬 伸一 広島修道大学, 人文学部, 教授 (90268657)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | コメニウス / パトチカ / 教育思想 / 近代批判 / 教育哲学 / 開放性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は、前半は勤務先の在外研修制度でチェコ共和国科学アカデミー哲学研究所に客員研究員として滞在し、その間、チェコ国内外で研究発表を行った。夏に帰国後は、国内学会・国際学会で研究成果を発表した。 前半においては、チェコ(スロバキア)におけるコメニウス研究の歴史について、滞在先研究機関の豊富な資料を利用して研究を進め、年度内に成果発表した。このほか、5月にはチェコで二番目に長い歴史を誇るオロモウツ・パラツキー大学哲学部から招きを受けて、21世紀におけるコメニウス研究の可能性と課題について学生を対象に講義を行った。6月には、ロシア・サンクトペテルブルクのコメニウス教育研究所における研究会議に出席し、20世紀チェコの哲学者パトチカによるコメニウス解釈をとおして、コメニウス思想の現代的可能性について研究発表した。また、ニューヨークで開催のコメニウス・アカデミッククラブの総会に参加でき、多くの研究者と知己を得ることができた。 帰国後は、9月に教育思想史学会のコロキウムで、ヨーロッパと日本におけるコメニウス受容の特質について研究発表したほか、10月の教育哲学会では課題研究の報告者として、高等教育への教育哲学的アプローチに関して、本研究のテーマに基づいて報告した。また、ラウンドテーブルでも、パトチカと近い現象学者フィンクの研究者とともに、「光を教育哲学する」と題して研究報告を行った。さらに、12月のオーストラレーシア教育哲学会(メルボルン)で教育哲学会課題研究をもとに研究報告を行った。年が明けては、2月に再びパラツキー大学の招きを受けて、現代の教育問題をコメニウス研究の視点からあつかった講演を行った。その他、チェコ共和国滞在中に入手した資料をもとに、チェコ共和国の教科書でコメニウスがどのようにあつかわれているかをテーマに小論を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究テーマに関して、年度内に4本の論文が発表できた。とくに刊行が遅れていた英文の論文の刊行を見ることができた。 学会発表は、国際学会に3回参加し、2度発表し、国内の2つの全国学会で3度の研究発表を行った。それらは、次年度に刊行される予定である。 また、研究成果の社会的還元という点でも、チェコの大学生対象に定期的に講演を行う関係が構築できたことなど、成果をあげた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2013年度まで、勤務先の学内役職にあったこともあり、十分な研究時間をとることができず、研究費の消化が滞りがちであったが、2015年度に精力的に研究を進めたことで、予定を上回る成果をあげることができた。 最終年度となる次年度は、2015年度の学会発表が活字化されることもあり、その質を高めるようにとりくむ。研究全体のとりまとめのための資料読解及び研究者との意見交換のため、海外での調査を実施する。引き続き、国際学会での発表にもとりくむ。
|
Research Products
(11 results)