2013 Fiscal Year Research-status Report
スイス時代の未刊行資料の解読によるフレーベル幼児教育思想の形成と展開の研究
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24530978
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Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
小笠原 道雄 広島文化学園大学, 学芸学部, 教授 (10053612)
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Keywords | Fr.フレーベル / スイス時代 / 未刊行資料 / ルッェルン古文書館 / ベルン古文書館 / ベルン市民古文書館 / 幼児教育思想 / 孤児院 |
Research Abstract |
研究目的に従い,本年は、Fr.フレーベルのスイス時代(1831-1836)の教育実践記録及びベルン州、ルッェルン州両政府との学園(施設、孤児院を含む)の開設や運営に関する交渉過程(州政府への提出書類)、報告書提出時の諸資料を(1)スイス・ベルン市民古文書館、(2)スイス・ベルン国立古文書館、(3)スイス・ルッェルン国立古文書館の三古文書館を訪問し,調査、収集を行った。 (1)ベルン市民古文書館では関係未刊行資料の447点を古文書館の支援で撮影デジタル化が可能となり,入手することが出来た(デジタル化費用、126,870円)。(2)ベルン国立古文書館では直接当時の『官報』(公式手書き書類)等のデジタルカメラによる収集を行い,記号AKT/24-140の全体,並びに記号PA 377/8の全35巻の調査をおこない関係資料を収集した。とくに、記号FAA 2484の家族古文書の1830年代のヴィルザウに於けるフレーベルの教育施設、213/736のフレーベルの直筆書簡の写真2点は極めて重要な古文書である。(3)ルッェルン国立古文書館では『官報』の213/736,24/140A,FAA2484,PA254/191,PA668/835の4点,並びに,記号PA 668/835の6点をデジタルカメラで収集、フレーベルのヴィルザウ滞在期間の全資料を収集した。この資料は日本人としては初めての調査であり、その資料は極めて貴重で重要な未刊行資料といえる。現段階でもこれらの資料からフレーベル像の再検討が必然と判断される。 現在、これらスイス現地での調査によって収集した緒資料の解読と分析を鋭意行っているところである。最後に3館の館長,並びに担当古文書員の支援と助言に謝意を表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的の通り、フレーベルのスイス時代の教育実践に関係する教育施設の諸記録(州政府の公文書、関係機関との諸文章、並びに個人的な書簡等)をほぼ完全に調査し、日本人として初めてその資料等の収集が3古文書館の協力と支援によって可能となった。無論そのために事前に3館の館長宛、日本学術振興会(JSPS)の研究助成金によってこの研究が遂行されること等、更には本研究の意義等に関して相当の情報を提供した事がきわめて重要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年収集したドイツ側資料と本年スイス現地で収集した膨大な資料の全体的な解読を鋭意遂行し、フレーベルの教育実践活動からその幼児教育思想の基底を解明する。それをフレーベル教育学の新研究として公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
外国(ドイツ・スイス)での現地調査を2回実施する予定であったが、スイスでの第一回の調査を実施後体調を損ね、大学病院に通院することになり,二度目の外国調査が実施できなかった。本年、ドイツでの再調査を行う予定である。 ドイツへの調査旅行を2週間の日程でおこなう。
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