2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530984
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 光夫 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (30375175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敏明 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (20146111)
倉元 直樹 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (60236172)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大学入試 / 入試多様化 / 学力保証 / 韓国 / 中国 |
Research Abstract |
・24年度は韓国と中国の実地調査を中心に実施した。 ・韓国については,教育科学技術部,韓国大学教育協議会の入試政策に関係する機関とともに,ソウル大学,高麗大学の入試担当部署を訪問,情報収集と意見交換を行った。韓国の大学入試は,一般選考のほか特定の受験者に対する特別選考,定時募集のほか各大学ごとの随時募集,選考資料としての大学修学能力試験(共通試験)・高校調査書のほか,面接試験や小論文などの採用と多様化が進んでいるが,今回調査ではこれらの最新動向を確認するとともに,2009年以降本格導入された「入学査定官入試」(我が国AO入試に類似)の展開について詳細を確認した。長年の課題である受験競争の過熱を改善し,大学が求める学生の獲得にある程度の効果があるものの,高校での受験対策の混乱や本研究の課題である「学力保証」についての懸念など問題がなお残ることが理解された。 ・中国については,教育部招生処(入試課),教育部教育発展研究センターの入試政策に関係する機関とともに,北京大学,清華大学などの大学入試担当部署,復旦大学附属中学などを訪問,情報収集と意見交換を行った。中国でも,全国統一入試による一般選抜のほか,特定の対象に対する推薦入試や我が国AO入試に類似する「独自事前選抜(自主招生)」が導入され,拡大しつつあり,やはり多様化に入試改革が向かっている。今回の調査では,これらの最新の動向を把握するとともに,2010年に党・政府から出された教育改革指針(国家中長期教育改革和発展計画要綱)で提起された「多元選抜」などの進捗状況を確認した。詳細はなお調査の必要があるが,「学力保証」の面からいえば,なおいずれの入試でも筆記試験の比重が大きく,学力問題は生じていないものの,いぜん受験負担や公平性の問題が残るとの関係者の指摘があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・本研究は中国,韓国,台湾の東アジア地域における大学入試多様化の最新の動向を把握し,これを我が国最近の入試改革における課題の一つである「学力保証」の観点から比較分析することを目的としている。 ・韓国については,実地調査等により最近の改革動向とくに「入学査定官入試」(我が国AO入試に類似)の導入,普及の政策および実態をかなり詳細に調査することができ,これを学力の面から分析し,一つの論文にまとめた。しかしなお,調査した2大学以外の個別大学の入試の現状や高校の対応など調査すべき事柄は残っている。 ・中国についても,教育部やその政策研究機関である教育発展研究センターの訪問により,政策的な動向と具体的な改革の進展をある程度理解することができた。個別大学については,訪問が順調に実現せず,まだ2大学の訪問にとどまっている。大学HPにより募集要項などによる制度自体は調査が進んでいるが,実際の運用や試験の現状についてさらに調査の必要を感じている。 ・台湾についてはまだインターネットによる文献・資料収集程度にとどまっており,第2年度以降に実地調査を含め,調査を本格化させたい。 。
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Strategy for Future Research Activity |
・文献収集および実地調査を中心に,東アジア地域の大学入試改革の動向を詳細に把握し,これをもとに比較分析を進めていく。 ・とくに調査対象となるのは,従来の全国統一入試(共通入試)による一般選抜を補うまたはこれに代替する入試として導入が進められている新しい入試方法である。韓国では特別選考,とくに「入学査定官入試」,中国では「独自事前選抜(自主招生)」,台湾では「独自選抜(甄選入学)」に焦点を当て,具体的な選抜方法,評価指標,高校への影響,さらに入学後の学修への接続などについて,詳細な情報を入手していくことを当面の方針とする。 ・また,国内の大学入試改革についても,文部科学省や中教審の議論,大学における入試関係者や高校教員等との情報・意見交換などを通じ,常時追っていく作業は欠かせない。我が国の視点に立った比較分析が求められているからである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・次年度は,平成25年度請求額を使用する。
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Research Products
(1 results)