2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530999
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南部 初世 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (40263058)
|
Keywords | ドイツ / 教育行政職員 / 専門性 / 学校監督 / 学校行政 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究第2年目である本年度の研究成果は、2つに大別される。 第一は、引き続きドイツ全州における学校監督及び学校行政改革の分析を行うことであり、いまだ制度的には流動的な状態であるものの、今後の学校監督のあり方に大きな影響を及ぼしうる外部評価制度及び目標協定制度について、補足調査を行った。 第二は、ドイツ全州における学校監督官の養成及び研修プログラムの内容分析であり、今年度は、インターネットを活用し、各州における学校監督官の養成及び研修プログラムについてその概要把握を行った。 以上の結果、(1)学校監督の中核は、学校の教育活動に対する専門監督であり、学校監督官吏(視学)の学校訪問によって実施されるが、学校監督官と教員の関係は「構造的に妨げられた関係」ととらえられ、前者の後者に対する圧倒的な優位性が存在してきたこと、(2)しかし、90年代の「学校の自立化」政策の進展と新たな学校システム制御の模索から、学校監督の質的な改革が展開され、学校監督はコントロール・指示活動から、助言・支援活動へと重心を移すことが求められてきていること、(3)制度化された目標協定の基本的特質は、質の開発・質の保証の枠内において、対話を基盤としたPDCAサイクルに基づくものであるため、学校監督の役割としては「対話」が重視され、目標協定作成手続きにおける計画の妥当性についての熟慮や、学校からの問い合わせに対する助言・支援と外部機関への仲介、コントローリング、総括対話等の役割を新たに担うことになってきていること、(4)そしていくつかの州では、学校監督の介入及びコントロール権限行使を制限する方向で学校法改正が行われていることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学校監督官及び学校行政担当地方自治体職員の職務に関する資料収集は進められているが、特徴的な人事開発プログラムを有する州の選定に手間取り、年度内に実地調査を実施できなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ドイツ国際教育研究所(DIPF)「教育ガバナンス」部所属の研究者と十分に連携し、助言と専門的知識提供を受けながら、2013年度の遅れを取り戻すとともに、2014年度の計画に従って研究を実施する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度内に予定していた実地調査を実施できなかったため。 平成26年度に実地調査を予定している。
|
Research Products
(1 results)