2013 Fiscal Year Research-status Report
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24531019
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
坂野 慎二 玉川大学, 教育学部, 教授 (30235163)
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Keywords | 教員養成 / 学校評価 / 教育財政 / ドイツ / ヨーロッパ |
Research Abstract |
平成25年度は、以下の研究を進めた。 1.日本における教育の質保証について、教育財政、学校評価及び教員の資質能力の育成を中心に文献調査を進めた。学校評価では、神奈川県及び横浜市の学校第三者評価者として実際の評価に関わった。教員の資質能力については、国立大学教員養成学部・大学の養成課程とドイツのそれとの比較を行い、論文を執筆した。 2.ドイツを中心としたヨーロッパの教育政策について、EUやOECDといった国際的組織の政策動向を分析した。その上で、平成25年9月及び平成26年2月にドイツの教育関係機関や学校を訪問し、現地調査を実施した(ベルリン市教員ゼミナール、ドイツ国際教育研究所、ベルリン自由大学教師教育センター、ケルン大学、ミュンスター大学、ニュルンベルク市ギムナジウム、マクス・プランク教育研究所、ベルリン市基礎学校、職業教育センター等)。 3.その成果の一部を日本教育経営学会及び日本教育行政学会において発表した。成果の一部を中間報告書として平成25年9月に取りまとめた。内容は、主要国(イギリス、ドイツ、アメリカ、ニュージーランド等)における学校教育の質保証について、学校評価及び教員の資質能力の向上について、政策動向を示した。その上で、これら各国の政策動向に共通する今日の教育政策の傾向を俯瞰した。更に研究の成果の一部を日本教育行政学会年報、玉川大学教育学部紀要、玉川大学教職大学院研究紀要に論文としてまとめ、公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツにおける教員養成改革については、ほぼ把握することができた。教員養成段階における実習の重視(理論と実践)、モジュールによるコンピテンシーを基盤とした養成、財政的要因による試補制度の短縮化、等の実態を把握した。また、最終年度に調査を深めることを予定している学力向上政策の概要を整理し、基礎学校、ギムナジウム、職業教育センター等を訪問調査することによって、教育の個別化とインクルージョンが重要課題であることを明らかにできた。これによって、最終年度の最終報告書の構成が固まってきた。 日本では、教育の費用対効果をどのように考慮しながら、学力向上を図ろうとしているのかを、ヨーロッパ諸国の流れと比較すると、個別化、インクルージョン政策が遅れていることがほぼ確実となってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成26年度は、教育の質保証として、初等教育における個別化教育とインクルージョンの実態を解明することに主眼を置く。その上で、狭い意味での学力ではなく、キー・コンピテンシーの保障がどのように行われているのかをドイツを中心としたヨーロッパ諸国の動向を分析し、明らかにする。 日本では、「生きる力」型の学力保障をどのような資源で、どのように保障することが可能なのかを、調査事例を含めてまとめる。その際、重要となるのが、資源の投入、教育の個別化、インクルージョン、学校評価、教員の資質能力の向上等である。
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Research Products
(9 results)