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2013 Fiscal Year Research-status Report

ソーシャルキャピタルの再生にむけた地元学の創造と地域学習の展開に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24531022
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

佐藤 一子  法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (60114211)

Keywords地元学 / 昔話の口承 / 語り部 / 食文化の伝承 / 地域学習 / ソーシャルキャピタル
Research Abstract

平成25年度は、ソーシャルキャピタルの再生と地元学の創造をめぐって、伝統文化の継承過程として平成24年度から継続実施している、岩手県遠野市の語り部の活動についてのライフストーリー・インタビューを補充する調査活動をおこない、その成果を学会発表するとともに、テープ起こし資料の考察をおこない、学部紀要論文に掲載した。
平成25年度に新たに開始した調査研究は、山形県庄内地方の浜の食文化伝道師とよばれる人材養成事業と魚食文化を伝える活動である。語り部と同様、食文化伝道師は、地域の伝統文化の継承者、次世代への伝達者としての活動をおこなっている。この人材育成事業は山形県庄内総合支庁が行政として予算措置をおこない、執行しているが、漁業協同組合、生活協同組合、旅館やサービス業の地域おこしグループなど、幅広く民間団体が連携している事業である。平成25年段階で200人以上の食文化伝道師が認定されている。
食文化伝道師に認定されると、県の予算で県内各地で料理教室を開き、地元食材の料理、郷土の食文化の魅力を伝承する活動をおこなっている。保育園や地域の主婦グループ、調理学校の生徒達など、幅広い対象者が参加し、県の内陸部でも実施されている。庄内地方の鶴岡市ではそれと並行して、ユネスコ文化創造都市食文化部門の申請準備もおこなっている。
山形も人口減、地域経済衰退という点では東北各県と同様の悩みをかかえているが、このような食文化の継承活動が、どのように地域再生につながっているのか、食と地域文化・地域再生をテーマとして事例研究をすすめるため、4回の現地訪問をおこない、食文化伝道師及び連携する行政、民間団体関係者のインタビューを重ねてきた。ほぼ全容がとらえられる段階となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

遠野市の昔話の口承活動については、紀要論文を2回にわたって執筆したことによって、地域学習における意義、口承活動の文化創造的営為、全国的なネットワーク形成など、本研究の目的に沿った考察が可能となり、一定のまとめの段階となっている。
これに対して庄内地方の食文化伝承に関しては、連携する民間機関、大学、個々の文化伝道師など調査対象の範囲が広く多様であるため、全体像の把握とともに、食の伝承活動の意義をどう焦点化させてとらえるか、まだ試行錯誤が必要である。魚食料理という食文化以前に漁業、農業、生活文化、現代の消費流通問題など、地域経済と地域文化を総合的にとらえる認識が必要である。このような視野の形成のために調査と並行して文献収集、またユネスコ創造都市の各地の動向などにも注目する必要がある。
いずれにしても、平成26年度は3年間の研究のまとめの年度であり、庄内地方の現地調査はあと1,2回にとどめ、インタビュー資料の考察、学会発表、論文執筆など、まとめの作業に重点をおく必要がある。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は研究のまとめをおこない、研究の最終報告書を印刷・発行する予定である。
ここでは中間報告書で考察した教育学における地域学習論の思想的系譜、イタリアにおける食文化伝承ースローフードなどもふくめて研究の総括をおこなう。
それにさきだって、平成25年からとりくんできた庄内地方の食文化伝導活動の意義について、学会発表と紀要論文執筆を予定している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前倒し請求によって、調査旅費を中心に増額を見込んだが、旅費等の支払い後に最後の謝金支払いをおこなった。謝金は1000円単位の支払いをおこなったため端数の498円の執行は見送り、次年度に繰り越すこととした。
498円は端数であるため、次年度繰越後は書籍・文房具などの予算として使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013 Other

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 文化創造的営為としての昔話の口承活動2014

    • Author(s)
      佐藤一子
    • Journal Title

      法政大学キャリアデザイン学部紀要

      Volume: 第11号 Pages: 246-278

  • [Journal Article] 昔話の口承と地域学習の展開2013

    • Author(s)
      佐藤一子
    • Journal Title

      法政大学キャリアデザイン学部紀要

      Volume: 第10号 Pages: 339-282

  • [Presentation] 昔話の口承と地域文化創造

    • Author(s)
      佐藤一子
    • Organizer
      日本社会教育学会
    • Place of Presentation
      東京学芸大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

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