2012 Fiscal Year Research-status Report
保育者のワーク・ライフ・バランスが「学びの基礎力」醸成に与える影響
Project/Area Number |
24531039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
佐藤 和順 就実大学, 教育学部, 教授 (10413436)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 保育者 / 学びの基礎力 |
Research Abstract |
本研究は,保育者のワーク・ライフ・バランス(以下,WLB)と保育の質の関係性を検証し,保育者のWLBの実現を通して保育の質を向上させることを目的とするものである。具体的な目的は以下のとおりである。 1.保育者のWLBの状況調査(先進事例の調査,幼稚園教諭・保育士を対象にした全国的な質問紙調査の実施)2.「学びの基礎力」の醸成に着目した保育の質の調査(幼稚園・小学校教諭,保育士が合同で保育の質を図る指標の作成)3.保育者のWLBと「学びの基礎力」醸成の関係性の調査 本年度は主に1を中心に実施した。わが国におけるWLBと保育研究の枠組みの構築のために,先進事例としてWLBの先進国であるアメリカの日系幼稚園の日本人教諭を対象に聞き取り調査を実施した。日本とは異なり,結婚,出産以外のWLB実現を妨げる要因があることが明らかとなった。また,保育者のWLB調査については,内閣府による平成20年7月の「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する特別世論調査」,8月の「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」等を参考にして質問紙を作成し、全国規模の調査を実施した。 2の保育の質の指標化については,研究対象園における「学びの基礎力」の実態調査に着手をしたところである。具体的には,幼稚園・小学校教諭,保育士合同の保育の質の調査に関する検討会を実施し,「保育の質の指標(案)」を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の実施状況は次のとおりである。 1.保育者のWLBの状況調査 (1)「WLB」と「幼児教育」の基礎的資料・文献等の検索・収集・複写・分類と整理の実施。(2)先進事例(WLBの先進国であるアメリカ)の研究から,今後のわが国におけるWLBと保育研究の枠組みの構築を実施。スウェーデンの調査については,25度に実施予定。(3)全国規模の保育者を対象とした質問紙調査実施。調査項目については,内閣府による平成20年7月の「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する特別世論調査」,8月の「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」等を参考とした。 2.「学びの基礎力」の醸成に着目した保育の質の調査 (1)研究対象園における「学びの基礎力」の実態調査の実施。研究対象園の幼稚園教諭・保育士が「学びの基礎力」をどのようにとらえるのかという共通認識の獲得と醸成のために保育をどのように実践するのかの研究会を実施した。併せて「保育の質の指標(案)」を作成した。 上記の通り,スウェーデンの先進事例調査以外は当初予定通りであり,おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については次の通りである。 1.保育者のWLBの状況調査(1)「WLB」と「幼児教育」の基礎的資料・文献等の検索・収集・複写・分類と整理の継続。(2)先進事例の調査(スウェーデン)。(3)「保育者のWLB」に関する質問紙調査の分析。統計学的手法を用いて,保育者の生活の現状把握に努める。(4)WLBの実現は喫緊の課題であるので調査の結果をもとに保育者のWLB実現のための指導書を作成し,関係園・保育者等に配布。保育者のWLB実現を促すことができるような情報の共有を図る。 2.「学びの基礎力」の醸成に着目した保育の質の調査(1)研究対象園における「学びの基礎力」の調査の継続及び分析。(2)幼稚園教諭・小学校教諭・保育士が合同で「保育の質の指標」確定のための研究会実施。 3.保育者のWLBと「学びの基礎力」醸成の関係性の調査(1)保育者のWLBと保育の質の関係性を明らかにした上で,「学びの基礎力」との関係性を明らかにする研究会の実施。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費使用計画は次の通りである。 ・「WLB」と「幼児教育」の基礎的資料・文献等の検索・収集・複写・分類と整理(図書購入費使用)・先進事例(スウェーデン)の研究(海外 調査・研究旅費・専門知識の提供使用)・今後のわが国におけるWLB研究の枠組みの構築(本研究に係る各種学会・研究会・シンポジウムへの参加)(国内 調査・研究旅費使用)・研究成果(研究成果発表費(ホームページ関連)使用)・研究成果(学会発表等に係る国内 成果発表旅費,論文掲載に係る論文別刷費使用)・保育者のWLB実現のための指導書『ワーク・ライフ・バランス実現のために(「保育者のWLB意識の質問紙調査結果報告書」)』の作成及び発送(印刷費使用,通信費使用)
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Research Products
(3 results)