2012 Fiscal Year Research-status Report
韓国・米国の最新動向を踏まえた学校外教育施設の制度設計試論
Project/Area Number |
24531048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
小桐間 徳 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 部長 (60594869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 明希子 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (30625207)
坂田 仰 日本女子大学, 教職教育開発センター, 教授 (70287811)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 韓国 / 米国 / 外国人学校 / 代案学校 / 就学義務 / 学校外教育施設 |
Research Abstract |
1.研究成果の具体的内容 (1)国内調査:わが国におけるフリースクールおよび外国人学校の法令上の位置づけ、文部科学省通知による運用、中央教育審議会初等中等教育分科会における議論等に係る文献調査を行った。また、先行研究および戦前・戦中・戦後における就学義務関連規定の変遷と学校外教育の位置づけ等について文献調査を行い、その成果をまとめた研究論文が、学会誌(スクール・コンプライアンス研究)に掲載された。 (2)海外調査:韓国における「代案学校」及び「国際学校」に係る法律・大統領令、及び米国の学校外教育(ホームスクーリングを含む)に抱える法令に係る文献調査を行った。また、韓国の教育科学技術部および代案学校、外国人学校を訪問し、学校外教育に係る制度の現状、制度改正の経緯、学校運営の実態や課題等について、関係者から聴取を行った。 (3)研究会の開催:研究分担者および研究協力者を交えた研究会を6回開催し、情報の共有および意見交換を行った。 2.意義・重要性 国内調査の一貫として、戦前・戦中・戦後における就学義務関連規定の変遷と学校外教育の位置づけに関する考察を行った結果、戦前の小学校令においては、小学校に類する各種学校への入学や家庭における修学などを修学義務の履行として扱う特例が存在し、これを根拠として多様な私立学校や各種学校が設置運営されていた事実が明らかになった。これに対し戦後の学校教育法は、正規の学校への就学以外の形態を一切認めていないため、不登校児童生徒や多文化児童生徒等の新たな教育需要に柔軟に対応できないことを明らかにした。また、海外調査の一貫として、韓国の政府およびフリースクール等の関係者から、学校外教育施設に係る制度および運営実態についての最新動向を把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
韓国における義務教育レベルの学校外教育施設(代案学校、外国人学校)に係る法令・判例等の制度的背景および教育課程の基準や卒業生の進路等の運営の実態に関する最新の動向を把握することができた。 また、国内における就学義務関連規定の戦前・戦中・戦後を通じた変遷について明らかにし、研究論文として発表することができた。 なお、米国の実地調査については日程の関係で未実施であるが、全体として概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
国内および米国における実地調査、及び文献調査を引き続き行い、比較考察をすることにより、わが国における学校外教育施設に関する制度設計の方向性についての提言を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内および米国における実地調査(各3か所程度)を行う。また文献調査を継続する。 研究会を開催し(5回程度)、調査結果の比較・分析を行う。
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Research Products
(1 results)