2013 Fiscal Year Research-status Report
国際家族における教育戦略形成過程とそのメカニズムについての実証研究
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24531055
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
周 飛帆 千葉大学, 言語教育センター, 准教授 (80270867)
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Keywords | 中国人の国際移動 / 家族の異文化適応 |
Research Abstract |
今年度は、①在日中国人に対するインタビュー調査を継続する一方、②中国国内において二回研究調査を行い、③国際シンポジウムで研究発表を行った。 在日中国人に対するインタビュー調査は前年度に引き続いたものであるが、今年度は特に進学や学校選択などの「葛藤場面」に見られる家族の意思決定とプロセスに注目した。親と子に対する聞き取りでは、夫婦関係、親子関係の要因に、家族が持つ社会的・文化的資源を加味し、そうした資源の有無はどのように家族がとる教育戦略に影響するかを対比しながら調査した。 中国で行った二回の調査では、それぞれ①都市と農村出身の「国際家族」が移動過程に見せる相違、②本国の資源動員過程の新しい傾向を知るという目的で行った。都市・農村部の格差が進む中国では、教育を含めた社会資源の利用は家族の取りうる戦略を大きく左右する時代となった。そうした格差はどのように国際移動の目的、移動・移住後の動きに影響を及ぼすかを中心に調査した。 本年度は中国で行った調査期間を利用して、国際シンポジウムで関連する研究発表を行い、海外の研究者との交流を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目にあたる今年度は、本研究で扱う「国際家族」の多様性に注目し、家族関係と家族の教育戦略形成との関係を明らかにするという全体の研究目的の中、特に重要と思われる家族の資源とその動員過程に関連付けて類型化する試みをした。本研究をより総括的にするための重要なステップであり、当初の計画をほぼ達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
家族の教育戦略形成という、比較的ミクロ的であり事例研究になりやすい本研究の課題を、単に個別なケースにとどめることなく、一般化できる理論的な枠組みを持つことは今後の課題となる。そのため、先行する移民研究にある多くの知見を吟味しながら分析していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度では海外調査を中心に使用したが、時期の理由により当初の見積金額より若干金額が低かった。 今年度の残金を次年度調査費の一部に充てたい。
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Research Products
(1 results)