2013 Fiscal Year Research-status Report
タイにおける基礎教育カリキュラム改革の成果と展開に関する実証的研究
Project/Area Number |
24531062
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
森下 稔 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (60300498)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 利文 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (20173239)
S Kampeeraparb 名古屋大学, 国際開発研究科, 講師 (90362219)
|
Keywords | タイ / 国際研究者交流(タイ) / 教育学 / 比較教育 / カリキュラム |
Research Abstract |
本研究では、タイの「2001年基礎教育カリキュラム」及びその一部改訂版である「2008年基礎教育コアカリキュラム」に関して、(1)基礎教育カリキュラム改革の成果を検証し、(2)「2008年基礎教育コアカリキュラム」の実施状況を解明し、(3)「学校を基盤とするカリキュラム開発」がどのように改善されているかを明らかにすることを目的としている。 この目的の達成のため、平成25年度においては、(1)カリキュラムに関する文献・資料の収集・整理・分析を行い、前年度の調査結果と合わせて、世界比較教育学会(WCCES)第15回大会(6月)で、The Results of Introduction of National Test in Basic Education in Thailandの発表を行うとともに、日本比較教育学会第49回大会(7月)において「タイの基礎教育における新カリキュラムの導入-改革の特色と背景の探求-」を発表した。(2)7月から8月にかけて、海外共同研究者チャンタナー氏(ナレスワン大学)の協力を得て、研究代表者・研究分担者の3名による合同調査を、タイ北部のチェンライ県、パヤオ県、ウッタラディット県、ピサヌローク県、ピチット県の基礎教育機関10校において実施した。この調査では、各学校における2008年版に基づくカリキュラム開発の状況、ナショナルテストなどの点検・評価を踏まえたカリキュラム改善の状況を事例的に解明した。この調査結果の一部を九州教育学会第65回大会(11月)において「タイの基礎教育カリキュラム改革におけるアセアン学習の現状と課題」として発表した。(3)2月には、チャンタナー氏を名古屋大学に招聘し、特別講義On-going Reform of Basic Education Curriculum in Thailandを開催することにより、最新情報を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における平成25年度の研究実施計画の主要な項目である①カリキュラムに関する文献・資料の収集・整理・分析、②カリキュラム改革に関する個別情報の集約・統合、③タイにおける調査、④研究成果の発表について、いずれもおおむね順調に進展出来ている。 文献・資料については前年度に収集したものについて分析が進み研究発表に活かされている。ただし、2008年版の日本語訳の公表についてはなお慎重を期す必要があるため、次年度に延期している。タイにおける調査を合同で行うことにより、研究課題に効率的に取り組むことができているとともに、海外共同研究者の協力により、調査および資料収集が成功裏に進展した。研究成果発表についても、世界規模の国際学会、国内全国学会、国内地方学会のそれぞれで行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は本研究の最終年度に当たるため、研究課題の完成を目指して以下の通り研究活動を推進する。 カリキュラムに関する文献・資料については、ある程度収集・整理が進行していることから、現地において補充的な収集を進めるとともに、内容の分析をさらに進める。それらの成果と関連する研究発表をアジア比較教育学会第9回大会(中国・5月)、日本比較教育学会第50回大会(名古屋・7月)で行って、国内外に発信し、そこで得られた批評等を今後の研究推進に最大限活用出来るようにする。また、第3回の現地調査を研究代表者および研究分担者1名により9月に実施し、補足的な資料収集や学校訪問調査を行う。最終段階の研究成果については九州教育学会第66回大会(長崎・11月)において発表するとともに、ホームページを開設して社会に発信する。 これらの成果を海外共同研究者であるチャンタナー・ナレスワン大学准教授と共有し、タイ国内においても還元出来るようにするため、3月にナレスワン大学において研究代表者がセミナーを開催する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
7月から8月にかけて実施した合同調査に、参加予定であった連携研究者が日程の調整がつかず、不参加となったため。 予定されていたホームページ開設を公表内容の慎重な吟味のため延期したため。 調査費用については、最終年度の研究成果を充実したものとするため、最終年度の研究成果を現地に還元するための旅費として使用する計画である。 また、年度内にホームページを開設して、研究成果の公表を行う。
|
Research Products
(7 results)