2013 Fiscal Year Research-status Report
外国出身児童生徒の進路支援おける地域連携のアクター分析―三重県の事例を中心に
Project/Area Number |
24531065
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
江成 幸 三重大学, 人文学部, 准教授 (20269682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 久司 三重大学, 人文学部, 准教授 (40345963)
福本 拓 宮崎産業経営大学, 法学部, 講師 (50456810)
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Keywords | 外国人児童生徒 / 進路支援 / 多文化共生 |
Research Abstract |
平成25年度は、四日市市笹川地区で平成23年に実施した量的調査の分析をさらに進め、年度末に住民向けリーフレット「多文化共生に向けて―笹川地区の住民アンケートから―」(日本語版)を完成した。外国人の子どもの教育に関し、ブラジル人住民は、就学支援・奨学金と日本語の向上が必要だと考えている。日本人住民の間では、言語・習慣を日本に合わせてほしいという意見が多数派であり、具体的な教育支援の重要性が十分に認識されているとは言えない。 また、三重県各地で行われている外国出身児童生徒の支援のうち、四日市市の「子ども教室」事業、津市教育委員会の進学ガイダンス事業、鈴鹿市の県立高校における外国人生徒の受け入れ状況、津市の日本語教師ボランティアによる高校進学準備学習会について、聞き取り調査および参与観察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、日本人およびブラジル人を対象とした住民アンケートの結果を地域にフィードバックするためのリーフレット作成に取り組んだため、フィリピン出身の児童生徒に関する調査準備が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)四日市市笹川地区における意識調査の結果を日本人住民、ブラジル人住民の双方にフィードバックしたうえで、子どもの教育支援に関する質的調査を継続する。 (2)福本(研究分担者・宮崎産業経営大学)は、四日市市笹川地区のフィールド調査を継続するとともに、三重県で増加傾向にあるフィリピン人住民を対象とした量的調査を計画する。 (3)江成(研究代表者)、藤本(研究分担者)、および研究協力者は、日系南米人およびフィリピン人の児童生徒の受け入れ状況について、行政・教育機関、支援団体等への聞き取り調査を継続する。 (4)三重県の状況と比較するため、欧米の受け入れ国における子どもの教育支援に関する現地調査、または県外の外国人集住都市での聞き取り調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
欧米の移民受け入れ国における現地調査の渡航計画を次年度に延期したため。 (1)住民向けリーフレット「多文化共生に向けて―笹川地区の住民アンケートから―」のポルトガル語版を発行するために、翻訳費および印刷費を使用する。(2)福本(研究分担者・宮崎産業経営大学)が、三重県で現地フィールド調査および量的調査の打合せを行う際に、出張費を使用する。また所属機関において、書籍費およびデータ処理の人件費を見込んでいる。(3)江成(研究代表者)、藤本(研究分担者)、および研究協力者は、三重県下の行政・教育機関、支援団体等への聞き取り調査のため旅費を使用する。また、フィリピン人を対象としたアンケート準備のため翻訳および印刷費を見込んでいる。(4)三重県の状況と比較するため、欧米の受け入れ国における子どもの教育支援に関する現地調査、または県外の外国人集住都市での現地調査に旅費を使用する。
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