2012 Fiscal Year Research-status Report
メキシコにおける多文化共生社会構築に向けた教員の役割に関する研究
Project/Area Number |
24531067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青木 利夫 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (40304365)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メキシコ / 農村教育 / 農村教師 / 多文化主義 / 多文化教育 / 二言語文化間教育 / インターカルチュラル教育 / 先住民 |
Research Abstract |
本年度は、メキシコ国立図書館を中心に、メキシコにおける農村教師の養成にかかわる制度や政策、および二言語文化間教育(バイリンガル・インターカルチュラル教育)に関する資料の収集をおこなった。そして、20世紀後半に拡大していく農村教師養成のしくみを明らかにしたこれまでの研究を整理したうえで、新たに収集した資料の分析を進め、とくに20世紀末から現在にいたる期間に焦点をあて、農村教師の養成にかかわる制度や政策の変遷について検討し、本研究課題全体の基礎作業とした。また、メキシコにおける「多文化共生社会」を構想するにあたって、同国における多文化主義、文化多元主義、文化間主義などの関連する諸概念の検討、およびマイノリティの権利とシチズンシップとの関係などの理論的検討を平行しておこなった。具体的な成果としては、ある農村教師の自叙伝を詳細に分析し、その教師がどのような経緯で教職に就き、地域社会のなかで教員としてどのような役割を果たそうとしたのか、そしてそこにはどのような意味と問題点があったのかを明らかにした。この研究成果は、学術論文としてまもなく公表する予定である。さらに、国立教育大学の先住民教育課程に学ぶ先住民学生たちの回想録を分析し、教師となる可能性の高い若者が、メキシコ社会におけるマイノリティとして、どのような問題に直面し、それをどのように乗り越えたのか、あるいは、メキシコの多文化状況をどのように認識し、将来、どのような社会を築こうとしているのか、そのための自分の役割をどのように考えているのかを検討した。この作業は現在も進行中であり、本研究期間の2年目において、その成果を発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メキシコにおいて資料の調査・収集を実施したことにより、利用可能な資料を入手することができ、これまで入手済みの資料とあわせて、おおむね計画にそくして研究を進めている。また、その成果を学術論文というかたちで公表することが決まっている。しかしながら、今年度は、農村教師養成に関する教育機関として国立教育大学を中心として資料収集をおこなった一方で、関連するほかの複数の機関の資料に関しては、かならずしも十分な調査がおこなえなかったため、次年度において調査を継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、メキシコの関係機関において、資料の調査および収集をおこなう。そして、すでに入手済みの資料とあわせて、研究実施計画にそって研究を進める。次年度は、メキシコの農村教育を支援してきた国際機関に関する資料、農村教師養成に関する複数の機関、とくに地方の師範学校およびインターカルチュラル大学をはじめとする高等教育機関に関する資料を収集し、その分析を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
メキシコにおける資料調査収集のため、旅費、図書の購入あるいは資料の複写およびその整理のために研究費を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)