2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24531070
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
東野 充成 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90389809)
|
Keywords | 保育所民営化 / 新自由主義 / 言説分析 |
Research Abstract |
平成25年度は、保育所民営化問題にかかる横浜市訴訟、神戸市訴訟、川崎市訴訟の分析を行った。当該3裁判に関する裁判資料を収集し、それをもとに、なぜ保護者らは民営化に反対するのか、地方自治体は保護者の論理にどう対抗し、なぜ民営化を進めようとしたのか、裁判所はどのような判断を示したのか、分析した。 その結果、保護者が民営化に反対する根拠として「発達保証の論理」が存在すること、地方自治体が民営化を推進する論理として「行財政改革の論理」が存在すること、また裁判においては保護者の論理が認められるようになりつつあることを見出した。 同時に、当該地方自治体の議会の議事録も収集し、保育所民営化をめぐってどのような議論がなされたのかを分析した。その結果、議会においては、民営化の是非にもまして、住民の意向をどのように汲み上げるのかが中心的な議題となっていたことを見出した。つまり、裁判所と議会とでは、言説のフレームが変化することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画した裁判例の分析は順調に進んでいる。加えて、当初は計画していなかった議会の分析も行うことができたので、「当初の計画以上に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、残る八千代市訴訟の分析を完遂し、調査結果の取りまとめ、報告書の刊行を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費が予定より少なかったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額と合わせて、報告書の刊行経費及び郵送費に充てる。
|