2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代中国の少数民族における家族の変容と文化伝達に関する教育学的研究
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24531080
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 敦子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90195769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エスニック・マイノリティ / 家族 / 近代教育 / 文化の継承/断絶 / 女性 / 中国 / 教員 / 家庭教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】グローバリゼーションという社会変動の下での少数民族の就学、社会移動、家族の変容を明らかにしながら、エスニック・マイノリティ家族における民族文化の継承/断絶といった実態を教育学の観点から実証的に検討すること。 【研究方法・調査】(1)四川省における留守児童に関する質的調査(広元市農村地域、2014年6月)、(2)アメリカ・スタンフォード大学における関連資料の収集(中国教育関係、2014年8月)、(3)四川省少数民族地域における学校教育の普及と家庭における文化の継承/断絶についての質的調査(涼山イ族自治州、2014年12月)。 【研究成果の公表・発表】(1)早稲田大学において国際フォーラムの主催(「1920年代~40年代における中国回族―オーラルヒストリーに焦点を当てて―」)。朱海申・王継霞・妥佳寧(以上、内蒙古科学技術大学)及び松本ますみ(室蘭工業大学)の各氏をパネリストとして招聘。回族知識人に関するアイデンティティの形成や文化の継承について、さらに回族地域における口述史資料の特徴や価値について検証。国内外から中国ムスリム研究の研究者が参加して活発な討論が行われた。(2)早稲田大学において国際フォーラムの主催(「近代学校教育の普及とマイノリティの文化継承/断絶―女性教師のライフストーリーの分析から―」)。鄭新蓉・魏曼華・胡艶・張莉莉(以上、北京師範大学)、また阿呷合熱莫(四川師範学院)の各氏をパネリストとして招聘。日本からも教育学、社会学の若手研究者が参加して議論が展開された。 【研究成果】(1)少数民族によっては伝統的行事の経費負担が重いために親が長期間、出稼ぎに行かざるを得ず、留守児童問題が深刻化している。(2)留守児童の増大に伴いエスニック・マイノリティ家族における民族文化の継承が困難となっている。(3)学校における民族文化継承の試みが展開されている地域もある。
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Research Products
(8 results)