2013 Fiscal Year Research-status Report
女性の貧困予防策としての教育のあり方に関する実証的研究
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24531084
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
西尾 亜希子 武庫川女子大学, 共通教育部, 講師 (20550627)
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Keywords | 女子大学生への質問紙調査実施 / 女性大学生への質問紙調査結果の中間報告 / 女性大学生への質問紙調査結果の分析・考察の継続 / 女性の生活の質と幸福に関する口頭発表 / 大学生の金銭感覚や将来設計に関する面接調査実施 |
Research Abstract |
本年度は、女子大学生の金銭感覚および将来設計に関する質問紙調査を実施した。有効回答数は500であった。現在、分析および考察中であるが、2013年9月には日本心理学会第77回大会(於:札幌市産業振興センター)で、研究協力者が「女子大学生のキャリアプランと進路選択に対する自己効力、経済的自立志向、基本的信頼感との関連」と題して中間報告を行なった。また、2013年4月にはパス・ア・パスという近畿圏で活躍する女性団体で「生活の質を考える―ジェンダーの視点から」と題して生活の質や幸福に関する研究をジェンダーの視点から検討し、女性の貧困と関連付けて口頭発表を行なった。 さらに、このような研究活動を行なう中で、質問紙調査だけでは網羅できないあるいは明らかにできない女子学生の金銭感覚や将来設計があることがわかってきたため、2013年11月から2014年2月にかけて56名の大学生(男女)を対象に面接調査を実施し、ボイスリライトを済ませた。トランスクリプトの分析・考察は次年度行う予定である。 一方、本年度は米国のスミス・カレッジのWFI視察、資料収集等を予定していたが、先行研究を整理するうちに、金融・経済教育は高等教育においてよりも、初等・中等教育においての方がより有効であることが明らかになってきたこと、貧困や社会的排除等と金融・経済教育の関連については、米国よりも英国の方が研究が進んでいることがわかったため、関連機関の視察等は次年度英国で行なうことにした。 今年度は、ある程度研究を予定通り進められたものの、変更も生じる結果となった。しかし、研究自体は、より研究テーマに即した方向に進んでおり、成果もより優れたものが得られるのではないかと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先にも述べたように、ある程度当初の計画通り、研究は進んでいるが、大学生への面接調査を実施することにしたため、実施自体に時間がかかった上、分析にも時間がかかることが予想される。次年度前半には分析を終えるよう努力したい。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、次年度前半には面接調査結果の分析を終える計画である。同時に、6月の日本高等教育学会で調査結果の一部を中間報告として口頭発表する予定である。また、4月から5月にかけて、英国の金融・経済教育に関わっている団体や実際に教育機関で教鞭をとっている担当者に対して、金融・経済教育の現状と課題について面接調査を実施したい。その結果も交えながら、9月には日本教育社会学会で口頭発表を行なう予定である。年度末にはまずは一本論文として発表できたらと考えている。
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