2014 Fiscal Year Annual Research Report
小学校低学年期の合科・総合的学習の国際比較と実態調査研究
Project/Area Number |
24531092
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
前田 賢次 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80292069)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 清 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00178154)
倉持 祐二 京都橘大学, 人間発達学部, 教授 (00460684)
佐藤 有 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10125370)
平野 知見 京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (10441122)
木全 清博 京都華頂大学, その他部局等, 教授 (40142765)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 低学年教育 / 総合学習 / 合科 / 国際情報交換 / 中国 / アメリカ / オーストラリア / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日・米・露・中・豪の①小学校低学年期における合科的、総合的な教科や領域の設計が教育課程構築もたらす影響、②就学前、幼児教育との接続の実態と、学校・教師の意識、③中学年以降への接続の実態、の3点について比較と分析を行うことを目的とした。中国では低学年(下学年)は1~3年にあたるが「品徳と生活」科は北京市では1~2年で週2時間配当されており、現場教師たちはこの教科で「品徳観」の育成を「担任の職責」ととらえていた。中国教育科学研究院の研究者は「学校化・総合化・整合化」をキーワードに初等教育改革が進行していることを聞き取った。豪州では小学校全学年を通じて総合の授業が週1時間配当されており、低学年に特有の教科はない。総合の授業は、子どもの実態から見ると高度であり、ICTと書籍などを用いた間接的な教材による学習に止めることで、子どもたちのリアリティを持った理解や把握の深まるのか疑問が残った。ロシアではノヴォシリビスク・ニージニー・ノーヴゴーロド市(2年)とモスクワ市(4年)の二つの小学校の二つの学校を調査した。ロシアでは「周りの世界」科が1~4年に週2時間配当されている。教育内容に原因と結果の因果関係の解明が国家スタンダードの目標の一つに設定されている。授業では子どもの調査結果の発表と交流という形で、補足を教師が行いながら進行する。アメリカではメリーランド州モンゴメリ郡教育局と諸学校で資料の収集を行ったが、教育実践の分析と総括には至らなかった。この調査を通してモンゴメリ郡の「カリキュラム2.0」は「学問的合理主義」、「認知過程」、「技術としてのカリキュラム」の三つの潮流の影響を受けており、脱「社会適応・改造」的傾向を有していることが明らかになった。以上、概していずれにおいても実際の授業は教師主導で、子ども主体の発想は活動主義に限定され乏しいという課題があった。
|