2013 Fiscal Year Research-status Report
教科指導力の可視化指標に基づく教育実習支援に関する基礎的研究
Project/Area Number |
24531113
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
平野 俊英 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70325033)
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Keywords | 理科指導力 / 教師教育 / 教育実習 / 可視化指標 / 国際情報交換 / 台湾 |
Research Abstract |
本研究は小・中学校教員の養成・初任研修時に確かな育成が求められる「理科の教科指導に関する資質・能力」を取り上げ、(1) 教員志望者等の理解ある行動を促す、可視化到達指標とその評価基準を開発すること、(2)(1)に基づき、モバイル機器による実習指導支 援システムの開発・試行によって、遠隔地個別指導下での教員志望者の主体的な活動でも質的な学びを保証する教師教育の教材開発を推進することが目的である。この目的達成の手順として、(A)理科教科指導に関する資質・能力の育成目標を調査して共通性・多様性 を把握する、(B)規準達成の必要性が理解でき行動できる可視化到達指標を作成してその評価基準を開発する、(C)モバイル機器でのコンテンツ提供・実践記録・評価機能を活かした教育実習指導支援システムの開発・試行を展開することとしている。 研究2年目である平成25年度は、(手順A-2)教師教育を専門分野とする台湾と日本の理科教育研究者等と意見交換を続けて実習期間中の資質・能力の確認に関して示唆を得たり、理科教育に関わる国際学会での成果発表を通じて意見交換を行ったほか、(手順B-1)可視化指標試案の立案を進めること、さらには、(手順B-2)本学所属の小・中学校理科の実習生の実習期間が1週間短縮されたことを踏まえて、実習実施後の彼らの感想内容から評価指標に掲げる項目やレベルに関して適正さを再検討し修正を図ることを行った。また、前年度同様に、(手順C-3)モバイル機器の使用感や管理方法を確認するとともに、それを踏まえたシステム構築のあり方やコンテンツ提供のあり方の検討を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に示した通り、平成25年度の研究実施計画に基づき展開を図ってきているものの、大学内での教育カリキュラム、特に教育実習の運営管理に関する変更が予期せず発生したことから、本研究の推進との間で調整を図る必要性が生じてきていることが影響している。可視化指標の試案に基づいた調査試行が実施できない状況となったがやむを得ぬ事態であると解釈しており、このため予算の一部については翌年度での使用に切り替えることとした。 一方で、国際学会の参加・発表などにより、幅広い意見交換が確保されたことは本研究の推進にとって良いものになっていると解釈している。 なお、これらは研究費使用上、また本研究の全体計画の範囲内で適正なものであり、翌年度に調整されることによって研究進行に大幅な影響を与えるものではないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、(手順A-2)教師教育に関わる国際学会での成果発表を通じて意見交換を行うほか、(手順B-1・B-2)可視化指標・評価基準の試案に基づく試行調査を行い、教育実習期間での自己評価活動での使用感を分析するとともに、修正版を確定させることとする。また、(手順C-1・C-2)可視化指標・評価基準にしたがって、モバイル機器向けの解説資料等のコンテンツの作成や、実習指導支援のための実践記録・自己評価アンケートを組み込んだシステムの作成について展開していくこととする。 その後、平成27年度には試行結果に基づいた研究データの蓄積・分析によって示唆を得て、可視化指標・評価基準に関する各種資料のさらなる改訂や、支援システム改善を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「研究実績の概要」ならびに「現在までの達成度」に記載したとおり、研究者の所属する大学の教育実習に関する教育プログラムにおいて、実施期間や実施内容、到達レベルに関する変更が急遽生じたため、研究の前提条件に変化があった。前年度までの検討内容について実習生の現状にあった修正をかける必要性が出てきたため、可視化指標や評価基準について調整を図ることを研究推進上優先した。よって、これらの試案の試行調査に関わる研究費支出については年度内に行うことができなかったため、翌年度に振り向けることにした。 平成26年度内で使用することとし、教育実習及び事前事後の指導にあたる教育実地研究の期間において、可視化指標・評価基準の試案について試行調査を実施し、データについて分析をする活動に主にあてるものとする(物品費、人件費・謝金、その他に振り分けて充当する)。
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