2012 Fiscal Year Research-status Report
地域社会とかかわりながら造形と表現を学ぶ学生参加型美術教育プログラムの実践と評価
Project/Area Number |
24531121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
五明 真 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80362747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
碓田 智子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70273000)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 美術教育 / 造形表現 / 地域連携 / 学生参加 / 実践活動 |
Research Abstract |
本研究は、美術教育と地域社会と関わりの深いまちづくり教育を融合し、教室からまちに出て、地域社会とかかわりながら造形と表現を学ぶ学生参加型美術教育プログラムの実践と評価を目的に、1.美術系大学における学生の実践活動にみる課題検討、2.社会とかかわりながら学ぶ美術教育プログラムの開発と実践、3.実践した学生参加型美術教育プログラムの検証を行うものである。 平成24年度は、1.については平成25年度に訪問調査をする候補を選択した。2.については「シャッターアート制作活動」と江戸時代の天神祭りや大阪府八尾市でみられる民俗行事「『つくりもん』の立体制作活動」を実践した。3.についてはその検証の一環として「シャッターアート制作活動」について、学生とその活動に触れる地域住民を対象に、アンケート調査を行った。 実践活動を行う学生は、研究代表者の研究室などに所属する美術専攻学生を中心に有志を募り、説明会を経て、13名の学生が活動した。「シャッターアート制作活動」は、地域と連携しつつ商店のシャッターに絵を描く活動であり、商店街連合会等から協力を得て、大阪府柏原市JR柏原駅周辺商店街を活動フィールドとしている。『つくりもん』(日常生活道具や野菜類などで人形や動物など趣向の物を造る、祭礼時のお飾りの一種)は、近代以前は 大阪で盛んに行われていたが、現在、大阪では八尾市八尾木地区で継承されているのみである。「『つくりもん』の立体制作活動」については、江戸時代の天神祭りの『つくりもん』を再現展示している大阪市立住まいのミュージアムを会場として行った。「シャッターアート制作活動」の研究成果については、活動成果報告パンフレットにまとめ、地域に発信し、「地域活動交流会まちカツin Yao 2013」「附属学校園教員と大学教員との研究交流会」にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、初年度の取り組みとして、1)美術系大学における学生参加型の実践教育活動の調査、および2)学生参加型美術教育プログラムの実践と評価に取り組んだ。 1)では、学生参加型の実践活動を進めている美術系大学の情報をHPや関連文献から収集し、先進事例2~3校について訪問調査を行う予定であったが、訪問先の選択に当初の予定よりも多くの時間が必要であったため、訪問調査は平成25年度以降に行うこととなった。 2)では、「シャッターアート制作活動」と江戸時代の天神祭りや大阪府八尾市でみられる民俗行事「『つくりもん』の立体制作活動」を実践した。「『つくりもん』の立体制作活動」について、応募時は八尾木地区のまつりの中で実施する予定であったが、学生の参加しやすさを踏まえ、大阪市立住まいのミュージアムを会場として行った。さらに「シャッターアート制作活動」については、学生とその活動に触れる地域住民を対象に、アンケート調査等によって、学生参加型美術教育活動が地域の人々にどのように認識されているかを明らかにした。以上のように、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降においては、平成24年度に取りかかった1)美術系大学における学生参加型の実践教育活動の調査、および2)学生参加型美術教育プログラムの実践と評価を継続して取り組む。1)においては、先進事例2~3校について訪問調査を行う。調査内容は、学生参加型実践プログラムの詳細と学生の教育効果を予定している。2)については、「シャッターアート制作活動」を行う。 今後の課題として、本活動は有志の学生によって活動が行われるため、有志を募るための学生に対する、より広い情報発信が必要と考えられる。その対応策として、説明会に前年度の参加学生による説明を取り入れ、活動の事前周知においても前年度参加学生の協力を得て行うよう計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学生参加型の実践活動を進めている美術系大学の情報をHPや関連文献から収集し、先進事例2~3校について訪問調査を行う予定であったが、訪問先の選択に当初の予定よりも多くの時間が必要であったため、訪問調査は平成25年度以降に行うこととなった。そのため今年度においては旅費の費用は計上されていない。平成25年度においては、次年度に繰り越した研究費は、その当初の使用目的通りの使用を計画している。
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Research Products
(2 results)